えろげのムービーファイルを見てみた
えろげのれびゅとは若干趣向を変えて、自宅にある限りですが、えろげのムービーファイルを総ざらい見てみました。
何気にムービーファイルの数が多くてびっくらこいた。
普通はゲーム部分っちゅーかえちぃトコしかえろげでは必要とされていない(はず)だから、あんましムービーには力いれてないんだろーなーとカルく考えておりましたので、意外や意外、皆様頑張っておられたのですな。偉い偉い。
で、ざっと見てみたのですが、これがまた意外にいい出来といいますか「いい仕事してますなぁ」とどこぞの評論家ぢゃぁないですが唸らせるモノが多くてさらにびっくらこいた。
その出来の良さをえろげ本体に欲しかったなんてこれっぽっちも思いませんでしたが。
個人的な感想になるのですが、今までは「セイレムの魔女たち」のオープニングムービーは音楽に合わせて画像を動かしていたので「いい出来だなぁ」と思っていました。
で、今日、改めて見てみたんですが、別に「セイレムの魔女たち」が特別じゃぁなかったと思い知らされるハメになりました。他のえろげでもいいムービーを作っているんですね。
ちなみにどーやって作ってるんだろう? そういうツールがあるんでしょうか? まぁそれはどうでもいい事なんでスルーしときますか。
「販促用(人物紹介やゲームの雰囲気を伝える)」にも使え、かつ「質もいい」という総合評価が高いのは「復讐の女神~Nemesis」になりますか。えちぃCGとDNA(デオキシリボ核酸)図・赤血球@血管・分子構造図の組み合わせには微妙に萎えましたが。っつかえろげと合わんだろ、その組み合わせわ(物語でヒトゲノムとかそーゆー代物を使ってますので仕方ないっちゃー仕方ないんですが)
それはともかく、テンポ良く流れる音楽に合わせて登場人物が出る様は見てて気持ちがいい(?)ですね。下手にボーカルが存在しない分、音楽と画面のコラボレーションが上手く合っていていい出来でした。
特に最初の方でタン・タン・タン・タンとアップしてるトコロでモノクロ基調の人物が次々に出てるのが凄くいい出来です。その次に人物紹介も始まっていますので、なおさら効果的と言えるでしょう。
音楽の質そのものは必ずしもいい出来とは言えませんが、動画が音楽を活かしている、という典型でしょう。マジですげぇ感性してます。
あと、画面を揺らしたりする、という普通な画面効果も悪くない…んですが、良くもないんですね。このあたりは音楽が弱いといいますか、強弱・高低が無いので少し動画と音楽が上手くマッチしてませんでした。
とはいえ、そんな頻繁に強弱・高低を入れるワケにもいきませんから仕方ないのかもしれません。このあたりはボーカルの無い弱みが出てますね。
個人的に気に入っているのが「天使のいない12月」です。こちらは弦楽器(ギター)+ドラム主体と8ミリっぽい縦線が入った創りで自分の好みがダブルでくっ付いててキタ━━━━(゜∀゜)━━━━な感じです(苦笑)。っつかこのあたりは冗談抜きで自分の好みですね、すみません。
あくまで個人的な好み満載なんで自分はイイ!(・∀・)b と評価しちゃうんですが、客観的に見るとちょっと評価できないでしょうね。
ラフ画とかイベントCGとかは普通に出てて、多少なりとも「ムービーの雰囲気」は出ているんですけど、少し立ち返って見れば「だから何よ」という突っ込みが存在するんですね。
ゲームのテーマといいますか、そんな感じの「優しさで守れる明日なんかどこにもない」という文字列と、制作関係者のクレジットとかは出てますが、致命的なまでに一貫性に欠けているのが大きいでしょう。ぶっちゃけ「いい雰囲気しか無いじゃん」って自分なんかも突っ込み入れちゃいますし。
エンディングムービーは8ミリ風でイベントCGがゆっくり流れるだけ創りですので、スタンダードっちゃースタンダードな創りです。
まぁエンディングムービーに凝った創りはむしろ無用の長物と言えるでしょう。「コレで終わり」な状況にアップテンポの曲はあまり合いませんからね。
ゲームの中身もそうだったんですが、(シナリオで)表現したい事は分かるし、テーマ・指針も悪くないし、雰囲気(画像とか)は凄くいい。だけど「技術的・手法的とか微妙なところがズレてる(少なくとも自分の感性と)」のが「天使のいない12月」というゲームの評価(ムービー含める)になるんだよなぁ。惜しいことに。
ちなみにこのゲームで知った(?)んですが、CVって「キャラクターボイス」の略だったんですね。自分はてっきり「キャストボイス」とばっかり思ってました。
…同じ事か?
で、えろげ売り場でも見た事がある「CLANNAD」ですが、こちらは究極的なまでに人物紹介に徹していますね。一部、何て言ったかな、幻想世界の台詞抜粋が流れるシーンがありますが、あんまり効果的では無いですね、残念ながら。
最初の方にある、画面サイズが縦に広がりつつ青空→太陽→ホワイトアウト、という効果的な動画で多少は音楽が活かせてますが…。
音楽単体・動画単体で見るなら、決して悪い出来ではないんですよ。ただ、音楽と動画のコラボレーションで見た場合ですと「他と比較してここがいい」というのが極小なんですよ。坂上智代のエプロン姿を見たときは握り拳でガッツポーズしたんですが。
気になるトコロが2点ほどあるのもマイナスポイントですね。
春原陽平の紹介文(?)ってシナリオに無かったんじゃなかったっけ? という所と、
一部ヒロインの紹介時間が短かったり(これは音楽部分の都合)と、
微妙~なトコロが合致してないんですよね。
まぁKeyブランド作品は、ブランド自体にネームバリューがあるので(販促用とはいえ)ムービーに力入れる余裕があったら他に回すぜベイベー、と思っているのかもしれませんが。
Keyブランドがらみで言うと、Airのオープニングムービーの歩いているトコロ(足だけ見せている部分)は好みっちゃー好みです。
「一歩ずつでも歩いているよ」というのは凄く好きなシチュエーションでもありますからね。そんなシーンはゲーム内にあったっけ? と思ってたりしますが。
レビューの方にも書いたんですが、「セイレムの魔女たち」のオープニングムービーは凄くいい。出来自体は先ほど書いた「復讐の女神~Nemesis」に一歩譲りますが、ボーカル付き音楽を効果的に動画で回すバランスの良さは随一と言っていいでしょう。「復讐の女神~Nemesis」には多少波がありましたが、「セイレムの魔女たち」は最初から最後まで「質」を保っています。特に、最初のシーンと最後のシーンが1枚の「羽」でつなげているのは好感触。
欲を言えば、ボーカルがアルトボイスなのはともかく、もう少し質(?)が良ければ…なんて思ったり。
自分の嗜好なんですが、アルトボイス=渡辺美里という図式が成立してて、そちらと比較しちゃうのがどうしても…ね。決して曲の質が悪いわけじゃないんですが…。
オープニングムービーでちょっと笑ったのが「NightDemon-夢鬼-」。音楽で「来るか?」と思わせといていきなり終わりとゆームービーの短さは「え? 終わりでつか?」と思ったり。
10秒程度で終わるんならむしろ無かった方が…。
いや、空をBG(Back Ground:背景)にしたのは雰囲気的に好みなんですが…何とも。
同じアリスソフト様のシェル・クレイルもさらっとした創りですね。
一応、フランス語の詩を載せていますが、フランス語分からんちんな自分にはよー意味がわかりません。まぁシェル・クレイルは「愛に狂ったオルガ=エアレ最高」の一言で済ますんで割とどーでもいーんですが。
…本当にそれでいいのか?
(フィクションはともかく、リアルでは絶対に経験したくないシチュエーションなんだが)
Aliceの館7にあった「しまいま。」がアリスソフト様の中では白眉ですね。平面をくるり、と回して登場人物の立ち絵を入れ替える(当然音楽のテンポに合わせて)のは、そこそこいい創りです。欲を言えば、2次元キャラがもう少し可愛ければ…というのは黙っておきましょう(笑)
最後に、「仄かに見える絶望のMemento」も悪くないです。正確には、1ヶ所だけいいところがある、と言う具合なんですが。
ジクソーパズルを外したり組み込んだり、という動画が凄くいい雰囲気でしたね。
…そこだけですが。これはアイデア次第では結構いい具合に仕上がるんじゃないかな~と思ったりします。
割と評価がいいムービーは大体あげましたね。
他にも当然あるんですが、あとは大した事無いので省略します。「加奈~いもうと~」とか「妄想念派通信」とか。その辺になると、多分酷評しちゃうんで(建設的なトコロが書けない、というのが主因なんですけどね)
そーいやぁかなり昔にルナティックドーン(Passage of the Book)の3次元ムービーにゃぁ「作らん方がマシじゃね」と思ったのは秘密の話で。えろげじゃないけど。