えろげの経営戦略みたいなの2
ソースは例によってPC-News様。
Erogos様というブランドがあって、フェチズムに拘ったシリーズがある。
2004年3月26日に初タイトルをリリースして以降、8月27日までに6タイトルをリリースしている。
所謂(いわゆる)ロープライス(3,990円)商品だが、
5ヶ月の間、集中的に6タイトルをリリース。
そして2005年3月25日に再びタイトル(らぶ★フェチ サド編)をリリース。
タイトルからフェチズムに拘った作りのようだが、計画性溢れるリリースである。
タイトル | 発売日 | 連続ランキング入り(50位) | price |
らぶ★フェチ 手コキ編 | 2004/3/26発売 | 4期 | 2,940円 |
らぶ★フェチ パイズリ編 | 2004/5/14発売 | 3期 | 3,990円 |
らぶ★フェチ 覗き・オナニー編~ | 2004/5/28発売 | 2期 | 3,990円 |
らぶ★フェチ 脚フェチ・足コキ編 | 2004/6/25発売 | 3期 | 3,990円 |
らぶ★フェチ フェラチオ編 | 2004/7/30発売 | 4期 | 3,990円 |
らぶ★フェチ 三者面談 | 2004/8/27発売 | 2期 | 3,990円 |
らぶ★フェチ サド編 | 2005/3/25発売 | 1期 ただし2期目以降ランキングはまだ未発表 |
3,990円 |
6タイトルの平均出荷本数を5000本と仮定しても、合計30000本。50%が売り上げと仮定(死ヌる程のどんぶり勘定だが)すれば、6000万。
人件費(人/月)を1ヶ月75万、スタッフ7人で6300万の出費、諸経費で1000万と(どんぶり勘定ここに極まれりだが)しても、総出費7300万は赤字額1300万。
とはいえ、これはいずれも最低最悪の計算なので、製造費コスト(人件費コスト)、販売本数売り上げを考えれば、
・人件費コスト(人/月)を60万以下、
・販売本数の伸び(総出荷数36500本以上/平均出荷本数6100本以上)
上記2点(他にもいろいろと要素があるが単純化のため無視)いずれかをクリアすれば、立派に黒字経営が可能といえる。
他のメーカ・ブランドはタイトルが出来次第リリースする、という(悪い言い方をすれば)行き当たりばったりではあるが、Erogos様は(2タイトル目を除いて)毎月1タイトルをリリースしている(3月~8月までの間)。
4月はリリースしていないが、5月に2タイトルをリリースしているのを考えれば、制作かROM焼きに遅れたかのいずれかと推察される(4月にはビッグタイトル(CLANNAD)が発売されている)が、それはたいした事ではないか。
そして、今年も3月に今年1タイトル目をリリースしている。
おそらく、今年も同程度、あるいはそれ以上のタイトルをリリースするだろう。
(半年間の休眠(?)でデータ解析・ユーザの性的嗜好を研究、そして制作に入っているのは疑いようがない)
ここまで安定経営・計画販売に志向したメーカ・ブランドは他に見当たらない。
確かに、人間(男性)の性的嗜好は驚くほど多岐に渡る。
それらの中で比較的メジャーな嗜好をピックアップして、ターゲットユーザ(潜在的な顧客層)を定め、
その中でロープライス・性的嗜好の合致で財布の紐を緩くする。
コアユーザを獲得する、というのではなく、広く浅くライトユーザを掴む、という手法にあたる。
最近のメーカ・ブランドとは少し考え方が違うと言えよう。
ただ、少し考えにくいのが、フェチズムに拘り、ロープライスで販売しているにも関わらず、ロングセラー品が無い、という点。
確かに、フェチズムに拘っている、という事からブランドイメージというのは露出しにくい。
また、ロープライス作品という事から(ハイプライス作品と比較して)内容が薄い、という事情もあるだろう。
しかし、ブランドイメージやコアユーザを(より)獲得しない手法にも関わらず、ロングセラーが少ない、というのはどういう事だろう。
データに現れていないだけか、出荷していないだけか。
本来なら、TYPE-MOON様の「Fate/stay night 通常版」以上にロングセラーが見込めるシリーズ(?)なのだが。
また、バルクセールのような手法を取っていないのも、少し疑問に思う。
某メーカ傘下のブランドの6作品をまとめて売り出したタイトルがあったが(名称は忘れた)、それと同じ手法は取らないのだろうか。
ゲームシステム(スクリプトプレイヤー)は同一のものだろうから、比較的簡単に作れると思うのだが(売れるかどうかは別だけど)
Erogos様が切り拓いたといえるが、フェチズム志向のタイトルは(販売本数には反映されないけれども)
一定層のユーザが「買い求める商品」、正確には購買意欲を促進するタイトルであるのを証明している。
粗製濫造されると困るけれども、
(ターゲットユーザから見た)費用対効果以上のタイトルをリリースできれば、隔月刊・季刊ベースで安定出荷が見込めるシリーズと言えよう。