Quartett! "THE STAGE OF LOVE"@【エロゲー専科】 | 孤独が好きな寂しがりやBlog

Quartett! "THE STAGE OF LOVE"@【エロゲー専科】

多分初めてですね、「このエロゲー(美少女ゲーム)が好きだ」と言えるえろげに出会ったのが。


今まででは、

「歴史が設定背景にあるから『セイレムの魔女たち』と『奴隷市場』は好きと言えるね、

 『ESの方程式』『黒の断章』はクトゥルー系でいい雰囲気だね、

 『CLANNAD』の草野球編は面白いね」

とかいった、何かしらのファクターがらみがあって、そこから「好きと言えるかな」という流れ(?)だったんですけど(CLANNADは草野球かよ、という突っ込みは禁止)、

ゲーム全体をひっくるめて純粋に好き、というのは、この『Quartett!』が初めてです。


とはいえ、『Quartett!』も音楽(弦楽器)というファクターがあるからこそ好きと言えるんですが、

何と言いますか、学生時代に音楽をやってた人間から見るとナチュラルに「いいな」と思っちゃうんですよ。

学生時代に「音楽が(楽器を弾くのが)好きで好きでたまらない」という経験をした人だと、多分自分と同じ思いをするんじゃないでしょうか。

自分もそういう時期があったよな……と感傷に浸れますしね(いい思い出も苦い思い出も含めて)


好きなゲーム、とは言っても、このレビューを書いている時点では、総合評価が8位(114ゲーム中)と、微妙に低かったりするんですが。 (Excelファイル)

まぁ「好み」と「評価」は別物だ、という生きた実例がこの「Quartett!」になるかな?

もっとも、好きと言えば好きかな、と思っている「DiaboLiQuE」が最高評価だったりするんですけど。……何故だろう?



このゲームの特筆すべき点は「F・F・D(フローティング・フレーム・ディレクター)」というシステムです。

簡単に言うと、漫画と同じ表現方法といいますか、漫画の1ページないし1コマを画面表示させる……って書いても微妙に分かりづらいかもしれませんね。

小説で

『誰々が何をしようとした。』

という表現ではありません。

漫画と同様の、吹き出し、と言うんでしたっけ? 楕円形とか、長方形とか、その中に会話分が入っています。


そういった『漫画と同じ』表現方法を実現したのがこの「F・F・D」です。

(おまけで書くと、ロースペックのマシンでも動くとも。最近のPCだったら特に問題にする点でも無いですが)



画面に表示されるのが、概ね短い会話文だけですので、何気にハンズフリーモード(マウスクリック無しで自動的に次の文に移る)が合うゲームだったりします。

これが結構便利……というか、相当ユーザフレンドリーなシステム(及び会話文)だったりします。

短い会話文ですので、読んだ後に次のページ(コマ)に移る。これがまた凄く便利。

(物語の質こそいいけれども)鬼のようなマウスクリック耐久レースを強いる「CLANNAD」とか「君が望む永遠」を代表にした、他のメーカ・ブランドも見習って欲しいものです。

テキスト系アドベンチャーゲームでハンズフリーモードにすると、たまに長い文章が読みきれずに次の文章に移っちゃいますからね……。



システム的には優れたFFDですが、結構手間がかかりそうですね。

プログラムを書くのも大変だし、スクリプトも調整や指示が多くなってしまうのが想像できます。

いくら(会話文が多いのもあって)シナリオ内容(テキスト文章)が少ない、っつっても、

スクリプト書くのも手間だし、どちらにせよシナリオプロットは必要、という事を考えれば、シナリオライター……というかスクリプトライターは大変でしょうね。

デバッグも加味したら、相当な労働量が必要でしょう。想像でしかありませんが、漫画を書く以上に労働力を注ぎ込む必要があるでしょうから。

「どこに表示させるか」というプロセスも必要になりますからね……。




先ほども書きましたが、もう一つの特徴である弦楽器。

あ、ちなみにカルテットの内訳(?)は、バイオリン×2、ヴィオラ、チェロ。

普通にクラシック曲をイメージさせますね。っつか事実、クラシックを弾いてるんですけど(無論、クラシックだけではないですが)。


で、パッケージに書いてありますが、カルテットは本物のプロフェッショナルが担当しています。

かなりの有名人のようですが……邦楽ポップは99%Zardしか聞かない人間には「あ、そう」で済んじゃいますね(^^;

価値を知らぬ人間には、まさに豚に真珠、猫に小判。

……自分の事指して言ってますねorz

嗚呼、やっぱせめてもう少し熱心にやっておくんだった(つдと)


それはさておき、音楽……というかカルテット聞いた感想ですが、これはゲーム中(シナリオ中)で初めて聞いた時は鳥肌が立ちました。いや、いい意味で、本当です。

何と言うのかな、音楽が(ピアノの弾くのが)好きだった事もあったせいか、そういう……ちょっとネタバレになりますが、


みんな(仲間)で、好きな音楽を合奏する、というシチュエーションを、

セピア調の色彩で印象的なシーンを繰りながら、

質がいい音楽が流れる、


というのは、もぉすごくいい雰囲気なんですよ。


音楽の話ではなく、シナリオ部分にも重なる話になりますが、、

Keyブランドが「質のいいシーンに音楽を重ねる」という得意技(?)を持っています。

ですが、少しでも音楽をかじったことのある人(正確には楽器を弾くのが好きで好きでたまらない時期があった人)だったら、

多分、この「Quartett!」の方に軍配を上げるでしょうね。


それぐらい、音楽の質は良かったです。


ただ何と言うのかな、音楽単体で聞くと、評価は少し下がるでしょうね。

いい音楽、というのは、演奏者の質もさることながら、やっぱり作曲者の質もあるんですよ。

で、名曲、というのは、作曲者・演奏者・聴衆(環境も含める)の3者があって初めて成立する……んですよね。

それ以降はノーコメントで。

理由はお察しください(自分が弦楽器に疎い、というのもありますが……)。




物語展開の評価ですが、これはサブタイトルに「"THE STAGE OF LOVE"」とあるとおり、普通に恋愛系です。

主人公が男で、他のカルテットメンバー(3人)が全員女の子。


うん、普通だ。



主人公がカルテット入りした時、それなりにカルテットはあんまりチームワークがありません(全く無いわけじゃないけど)。

で、主人公がカルテットメンバーのまとめ役になって、奔走して、いい奏者(奏チーム?)になろう、という展開。


うん、普通だ。



主人公の父親は、世界的に有名な音楽家。でも名乗っているわけではない。

で、ヒロインの行動の裏には、主人公の父親がいて、キーパーソンだったりする。


うん、普通だ。



で、オレ的ヒットの登場人物(クラリサ女教師とシニーナ嬢)が攻略対象ではなく、えっちシーンが無い。


うん、いつものパターンだ(つдと)ナゼダ……



そんな私的事情はさておき(涙)


物語展開はスタンダードですが、音楽を主軸に、設定(人物の環境まわり)をサブにしていますので、いい出来に仕上がっています。

……誉めているんですよ、一応書いておきますが。


まず、女の子との立ち位置(関係)を確立させておいて、

次いでらぶらぶモード突入(笑)してえっちシーン、

カルテットの目標たるコンサートを経てエピローグ。


これこそ「恋愛系の基本だ」と言わんばかりに、王道のド真中を貫いていますね。

正確には、

人生の軌跡を彩る恋愛物語、恋人と共にあった仲間たち、一つの事を成し終えた出来事。


決して派手さこそ無いものの、派手ではない(でも特徴ある)絵とマッチしたスタンダードな物語展開。

音楽・絵・物語と、質量ともにバランスが取れていますね。

いい物語展開といえます。


大声で、プレイして損ではない、と言えますね。

他の有象無象のメーカ・ブランドには、お手本となるゲームと言えるでしょう。




で、これが無かったらどうするよ、というえっちシーンですが、ゴメン流石に無理(;´д`)ノシ

物語展開を上手く活かした絵なんですが、肝心要のえっちシーンには、ちょっと向いていないと言えるカモ。

いやまぁ……最初から想像できてた事なんですが……


っつかえっちシーンいらんだろ、このゲーム……

肌を重ねなければ分からない大人の恋愛やってるワケじゃないから……




で、この「Quartett!」ですが、

音楽に志を持ってた人は絶対買え(命令形)

間違いなく、昔の思い出に彩りを沿えて幸せな気分になれます。


ゲーム中にある、バイオリン・ヴィオラ・チェロじゃなくても大丈夫。

自分はピアノをやってた人ですが(いちおーバイエルを最後までやった。そこで辞めちゃったケド)、ばっちりキましたからd(゜∀゜)


それ以外の人は……スタンダードな恋愛話を好む人だったら向くかも。登場人物がALL日本人ではない、というデメリットがありますが。

中学・高校時代に(ピュアな意味で)好きな人がいたよ、という人にも向くんじゃないかな(大学は除く)。


「自分は(ヲタかもしれないけど)普通の人間です」という自覚を持っていれば、このゲームの良さはわかると思います。



ただ、感動的なお話を好む人(特にKey信者)には絶対似合わない。

シナリオに大きな起伏がありませんからね(まるで無い、わけではない。まるで無かったら物語にならないし)。

だからこそ、スタンダード、王道のド真中と言えるんですけど。



最後には、改めてこの言葉で締めます。



「Quartett! "THE STAGE OF LOVE"」は、自分にとって、初めて「好きなゲーム」と言わしめる作品でした。




ヲマケ。

(推定)メインヒロインのシャルロット嬢のエンディングは「恋愛だけが人生ではない」を象徴してて大好き(はぁと)

ユニ嬢は若いカップルを想定させて大嫌い(俺が捻じ曲がっているだけとも言う……orz)

スーファ嬢は、サブキャラのルカがいい味出しててGJ(゜∀゜)b



ヲマケのヲマケ。


年齢記載が無く、バストサイズは70を切ってる恐ろしい登場人物(♀)がいるようですが……その筋を狙ってた、とかは言わないですよね y=-(; ゚д゚)・∵. ターン=□○_