うたわれるもの@【エロゲー専科】 | 孤独が好きな寂しがりやBlog

うたわれるもの@【エロゲー専科】

ぶっちゃけずに言えば佳作、ぶっちゃけて言っちゃえば超クソゲー。



なんっつーの、えろげでは珍しいタクティカル・シミュレーションが「ある」ゲームですが、それがメインじゃないのがどうかと思うぞ、Leaf様。

っつか自分が、「このゲーム持って営業に出ろ」と言われたら困るべ。『このゲームの「セールスポイント」って何でげしょ?』ってトコからスタートやし。

よもや絵的に信者がいますじゃぁ商売にはなりにくいし。いや、まるで商売にならないワケじゃないけどさ。


えっちシーンが少ないっつーのも微妙しょや。1on1しかえっちシーンが無いのはともかく、登場人物と1回しか出来ないというのは枚数的に少ない。

それと併せる形で、

アドベンチャーパートが主体になっている事、

どうでもいい登場人物の行動に時間とテキスト量が費やされてしまっている事、

上記2点からシュミレーションパートが生かされておらず、所謂キャラゲーと化してしまっているのが大きい。



キャラゲーだ、と割り切りがつけばいいけれども、(世界観などの)設定があまりにも脆弱なのがイタい。

というか、古代文明に(動力不問の)機械兵、ファンタジー要素@現代風味というのは、ゲームとはいえ、いかになんぼなんでもやり過ぎている。


キャラゲーで必要な要素には、登場人物の外見や内面の他にも、

社会環境や人物相関図などをひっくるめて、そこでようやくキャラが立つ。

なんでもアリな世界は、(ユーザが理解しにくい事もあって)ゲーム舞台(設定)としての土台が脆弱になってしまう。


そういう悪い要素をほとんど抱え込んでいるのが、この「うたわれるもの」というゲームの最大の欠点。

とゆーか、タクティクス・オウガナコルル&リムルル@サムスピをここまで露骨にパクるのは問題だろう。

(アイヌ系が入っていながら本州@日本地図を右90度に傾けた図が「ワールドマップ」というのはご愛嬌としても)


おそらく、そういう「他からのいいとこ取り」にハシったのが、多分全てにおいて悪影響を与えていると思う。

(シミュレーションパート単体を除けば)内容があまりにも酷すぎる。

制作時のその瞬間瞬間で発作的に考えたんじゃないか、と思うくらいに。



あと、アドベンチャーパートにシナリオというのかな、イベントを詰め込みすぎているのも何気にイタい。

大して必要でもない(と思われる)イベントを突っ込んだために、テキスト量の増加でプレイ時間が過度に増えてしまい、シミュレーションパートの間隔が開いてしまう、という悪影響(キャラ好きな人だったら話は別になるが)。

どっちつかず、という言葉があるが、このゲームのためにあるかのよう。

(エロゲー業界の人ではない)色んな人が言っているけれども、何かを「捨てる」というのを知らないためかもしれない。

テキスト系アドベンチャーゲームじゃないんだから、テキスト量は(必ずしも)必要じゃないでしょうに……。




……とまぁ悪口雑言罵詈雑言を書いちゃいましたが、シミュレーションパートはいい出来です。

連続攻撃という付帯要素、

魔法(マジックポイント制)を排除して、「気力」を使った必殺技の存在。

ヒットポイント(生命点)が無くなっても死なない、ライトユーザ向けに絞った作り。

あと、(推定だけど)ウェイトターン制を使っているのも、個人的にポイントが高い。

(ウェイトターン制:キャラ個別の速度によって、回ってくるターン数が多くなったり少なくなったりする)


アドベンチャーパートがクソミソに悪いのもあってか、シミュレーションパートが楽しい楽しい。

お前ら死ねや~ (  ̄∀ ̄)つつつ)´д`))´д`))´д`)」とボてクりコカしまくり。

5回ほど戦闘やって、上昇させる能力値を全部攻撃力に突っ込めばザコ敵はほぼ一撃でノせます。

このゲームでは見事なまでに「攻撃は最大の防御」が生かされており、

TRPGでも前線で敵を殴るのが好きな自分としては、物凄く評価しちゃいます。


究極的に言えば、1人の攻撃役(当然成長させる必要アリ)、1人の回復役、1人の囮の3人でほぼステージクリアできるんじゃないかな?(攻撃役は多ければ多いほどいいケドね)

ある意味ゲーム制壊しまくりっちゃーその通りなのかも知れませんが、まぁその辺は目をつぶれ。

(ネタバレになりますが、攻撃役は主人公のハクオロ、回復役はヒロインのエルルゥ、囮はアルルゥだったりする)



ちょっと難点を言うなら、ライトユーザ向けの作りなためか、戦闘が簡単すぎるかな。

先ほども書きましたが、キャラクター成長を「攻撃専門」「守備専門」に拘ったら、シミュレーションパートが物凄く簡単になってしまう、という事。

攻撃にウェイトをおく、防御にウェイトをおく、というのは、ユーザから見たら凄くいいシステムだ、というのは認めます。

ですが、これが行き過ぎるとゲームバランスを崩してしまう。それを少し考えて欲しかったかな。


攻撃専門にキャラクターを成長させた場合、

最初の防御力のまま成長させても、ゲーム終盤まで「死に難い」んですよ、実は。

ザコ敵の攻撃に4,5回、ボス敵の攻撃に2回ほど耐えられる。

で、攻撃に特化してるから、ザコ敵は一撃で、ボス敵は3回ほど殴れば倒せちゃう。

(だからこそ、攻撃は最大の防御となっている面がある)


守備専門にキャラクターを成長させると、

ボスだろうがザコ敵だろうが、ダメージが「1」しか減らない。

ゲーム中盤から(ボス敵は)特殊攻撃になるから50くらいダメージくらうけど、それでも4,5回以上は耐えられる。

防御力を最大の99までに持っていくと、ゲーム最後のラスボスですら(通常攻撃の)ダメージが「1」というのは、流石に問題があると思うな。


そういった意味では、キャラクターレベルによって、攻撃力・防御力の制限を加えるべきでしょうね。

そうしないと、本当にどうしようもないくらい戦闘が簡単になるから。

敵をバッタバッタと薙ぎ倒す快感もあるのを考えれば一長一短と言えるかもしれませんが、通常は、その快感よりもゲーム性にウェイトを置くべきでしょう。



個人的に言わせて貰うなら、追加ステージと言いますか、シミュレーションパートを永遠にプレイできる環境が欲しかったですね。

そうでないと、「うたわれるもの」を『再プレイしたいと思わない』から。

このゲーム自体が、シナリオ性を重視している都合もあって、そういう「再プレイさせる何か」が無いのは少し残念ですね。

せっかくのタクティカル・シミュレーションゲームですから、それを活かして欲しかった、と思っているのは自分だけでしょうか?



あと、シミュレーションパート最大の魅力。

カルラという登場人物がいるんですが、彼女の必殺技のCGが冗談抜きでいい出来なんですよ。

始めてその必殺技のCG(バストアップ(?))を見た時、カウパー出たからね。今でも出るけど。

ミステリアスという設定、女性(当然細身の美女)でありながらパワーファイター、で、別人かと思わせるあの精悍な表情。

これで勃たない男はいないだろ、というくらい。

っつか、アレで勃たなかったら男じゃないね。

乳房や下半身露出でしか男の下半身は勃たないとは限らない、という超具体例ですわ。


……お前だけやそんな事言う奴、という突っ込みは禁止な(_―+)キッ



で、肝心要にしてコレ無くしてプレイするわきゃねーだろ的なえっちCGについては……まぁ使えるモノは無いですね、残念ながら。

普通に女の子は可愛いんですけど……上手いんですが……

何故……なんでしょうね?

自分の下半身を勃たせた唯一のCGは、(先ほど書いた)カルラの必殺技CGというのは、何か自分に含むところがあるんでしょうかLeaf様(涙)



音楽に関しては、これといってイイと言えるのは無かったですね。

まぁ音楽自体がイベントなりシチュエーションを活かすものですから、それに相応しいイベント・シチュエーションが無いと、どうしてもそうなってしまいます。

ただ、エンディングタイトルは良かったかな?

ただしボーカル以外が。あのリズムを取っている(楽器名は不明。打楽器っぽいの)楽器がいい雰囲気を出してて、自分的にヒット。

……何故そんな所に着目するんだろう、おいらは(^^ゞ






他は……書く事無いかな?

では、以下は自分が最も書きたかった超戯れ言(ネタバレ含む)。



やはり、舞台背景や歴史環境、その他文明・文化的な要素がザル過ぎるのが非常に痛い。

銀色と言うゲームも舞台設定その他がザルだったけど、あれは副次的なモノばかりだったので目をつぶれる。

だけど、このゲームでは、シナリオの進行の土台となってたりしている以上、ザルな設定はちょっといただけない。

社会秩序は中世、文明レベルは古代、文化レベルは中世後期、行政レベルは中世~近代織り交ぜ、というのはあまりにもやり過ぎている。



このゲームでも、(悪役に相応しい)他所から「富」を奪う権力者、というのが出てくるんだけど、

そういう連中が他国に攻め込む際に食糧輸送なんて馬鹿な事やってる。

殺す、奪う、焼く、これら中国オリジナルの三光作戦(光、という字は中国では(日本と違って)何々し尽くす、という意味合いを持つ)をカマしてる連中が食料を後方から輸送する、なんていうのは、歴史上聞いた事がない。(中世以前では、食料の現地調達が当たり前であった。食料の余剰生産は商業(厳密には流通)が発展してから)

「輸送部隊を叩きのめせばステージクリア」というゲーム性を主体に考えれば、それは正解なんだけど、

そういう「補給」という概念(味方を食わせる配慮)を持ってる連中が、

(後のシナリオで)無為無策に味方(敵の味方)を水攻めで流すなんて事は普通はやらない(やっても隠し通せる手配を行う)


そういったアクション・アジェンダ(行動指針)を「敵」という視点ではなく、都合のいい「制作サイド」の視点で描いている。

それだと「敵」が「敵(障害物)」のままでしかなく、「敵」が「人間(登場人物)」とならない。

つまり、シナリオの幅が味方の中で留まってしまい、発展性に欠ける。

だからこそ、序盤・中盤・終盤と、敵は入れ替わり立ち代りに変わっている。

途中からシナリオの展開が(勝手に流れる事もあって)何が何だか分からなくなっているのは、それが大きいだろう。



このゲームは、SFCのタクティクス・オウガ「も」パクってるから、それで例えるけど、

「ヴァイス=ヴォゼック」という主人公のライバルがいる。

この登場人物は、主人公に嫉妬心を抱いているのと、主人公の姉貴(名目的なヒロイン)に惚れているのもあって、主人公と対立する側に回る(シナリオによっては味方になるが)。

で、このヴァイス、味方の力(軍事的な背景)を自分の力と思っている勘違い野郎ではあるけれども、

それを「敵対する組織の強大さ≒ゲーム的な難易度」という点と、(主人公との対比も含めて)主人公を大物に「見せる・させる」ファクターとして扱っている。

(分かりやすく言うなら、恋愛ゲームでいうライバル・主人公の親友に近い扱い方。CLANNADだったらヘタレ@春原、同級生2だったら盗撮魔@長岡芳樹)


「うたわれるもの」にはこういう工夫がまるで無い。

ゲーム序盤に出てくる勘違い野郎で馬鹿息子のヌワンギ@エルルゥのホの字がそういう人物になるかな、と思ったらあっさり野武士狩りで落命したし(身包み剥いだというのはともかく、賞金首でもないのに野武士狩りなんぞあるかい、という突っ込みは存在するが、ここでは割愛)。

そういったライバルを全部排除して(味方の)登場人物ありき、で適当にシナリオを作っている事もあって話の幅が広がらない。無理に話を広げようとしているから、結局新しい敵を次から次に出さざるを得なくなっている。



それに、中途半端にお涙頂戴的なシナリオを入れている、というのも違和感を感じる。


ゲンジマルに足の腱を切らされて人質(兼女奴隷@でもそんな扱いは正義の味方(笑)なんでやらないしヤらない)にされたサクヤ、

そして、生まれ故郷を滅ぼされたシーン、などなど。

殊に、タクティクス・オウガと同じ(ような)シーンは入れたのは、あまりにもマズい。

(戦闘に破れたクーヤ@機械兵団の親玉@何気に可愛い女の子に向かって、ハクオロ@主人公が「殺したければ殺してみろ」と言ってのけるシーン)


親、姉妹、味方、生きる目的、それら全てを失ったシェリー=フォリナー@フォリナー4姉妹の次女をあそこまで露骨にパクったのは、制作サイドの鼎の軽重が問われてしまった。

タクティクス・オウガで、シェリーがあのシーンで主人公を刺せなかった理由は3つある(と自分では思っている)。


1.敵前逃亡して、味方から見捨てられて、敵に追われる立場になった事

  (信用できる人が誰もいなくて孤独になった)

2.敵前逃亡した後、膝を抱え孤独に過ごしてた事

  (時間というファクターが淋しさを増幅させた)

3.妹(オリビア=フォリナー@シェリーの妹)の存在がシェリーの中にあった「古き良き時」を思い出させた事

  (叶うならば、淋しさから解放されたいという思い)


この理由があったからこそ、シェリーは主人公を刺せず、オリビアの胸で泣いた。

そのシーン(イベント)では、デニム=パウエル@主人公は主役ではなく脇役でしかない、のも一つの副因だったりするが。

(個人的な感想を言うなら、慰め役は妹(四女)のオリビアではなく、シェリーの姉・セリエ=フォリナーであるべきだったと思う)

(もっと個人的な感想を言うなら、フォリナー4姉妹で最もアツいシスティーナ=フォリナーが大好き(はぁと))


同じようなシーンで「うたわれるもの」では、クーヤがハクオロを斬らなかった。

斬らなかった理由は、そんなに大した事はなくて、

1.クーヤは民(国民)を重要視していた(戦力が尽きて敗北が決定的になってしまった)

2.もともとクーヤは戦に積極的でなかった(家臣を抑えきれず煽られて他国侵攻を起こした)

3.ハクオロとは旧知(?)の仲で、互いに嫌いではない

というのがある(これも自分の推定ね)。


はっきり言って、斬らなかった理由は、国の主という立場(公的)と、クーヤ個人の立場(私的)をめちゃめちゃ曖昧にしてる。戦に負けたらどうなるか、というのを考えずに。

国主としての態度を貫くにせよ、私情にかられて動いてしまったにせよ、どちらかに偏らせなければならない。

だけどここでは、公的・私的ない交ぜにしてクーヤを行動させている。中途半場に。

あそこで斬らせないなら、公的なものを全てかなぐり捨てて私的に走らせるべきだった。民がどうのこうの、というセリフは全て捨てさせて。



ここで違和感を感じない人は、所謂ブランド・クリエーター信者か、何も考えてないヲタだけだろう。あるいは、Ctrlキーでテキストを読まなかった人間か(意外にこういう人は多いんじゃないかな)。

少し立ち止まって考えれば、このクーヤのシーンで腐臭を感じる。少なくとも自分はそう思う。タクティクス・オウガのパクリじゃねーか、という偏見(?)を置いていたとしても。


確かに、それでもいいじゃないか、という見方もある。納得しているプレイヤーがいるんなら、という思考で。

でもそれだと、このゲームで「メーカ・ブランドタイトルの一見さん」を『置いていってしまっている』。

コアユーザのみが満足して、ライトユーザ以降の外辺を無視した作り。

それが何を表すのか、少し考えてみればいいだろう。


KanonやAirが家庭用コンシューマ機に移植されながら、結局ヲタの世界でしか評価を得られなかったのか。

同人サークルあがりのTYPE-MOON様制作の「Fate/stay night 通常版」が1年以上も販売ランキングトップ50位以上を張りつづけているのか(これには商業・流通的なシステムもあるが)

それを考えれば、この「うたわれるもの」が(シミュレーションパートはいい出来であったとしても)どれだけ腐ったゲームか、というのが分かろうというものだ

(「律令」「目安箱」や、ワールドマップなど、あまりにも何も考えていないのが分かる。ワールドマップは確かにあれでも構わないケド)

(ちなみに、「律」とは刑法、「令」とは行政法や民法に相当)

ちなみに言っておくと、この「うたわれるもの」は発売日に近い日に新品で買った。オレ的超黒歴史。

っつか、「ToHeart」でコカされ、この(自分の大好きなタクティカル・シミュレーションが入っている「はず」の)「うたわれるもの」で頭から泥沼に突っ込まされたら、そりゃ葉のアンチ信者にもなるさ。

つい最近……でもないが、某サイトのレビュー(というか感想)を見て、中古で「天使のいない12月」をプレイしたけど、それでどうにか評価は下の上まで持ち越している。で、ようやくアンチ信者の立場は崩した(シナリオ内容ではなく、雰囲気が良かったから)。

いまだ未プレイ(っつか予約してなかった為に買えなかった)の「Tears to Tiara」でどうなるか分からない(実は新品でもいいから買おうと思った(苦笑))。

まぁ自分は信者ではないので(「元」アンチ信者なので)、中古で多分買う事になるだろうにゃ。




そんな毒を吐きまくってれびゅはおしまい。

流石に毒吐きを本編(?)より長くする事は無いでしょうし。



最後に。

一応書いておきますが、自分はタクティクス・オウガは「うたわれるもの」と同様、タクティカル・シミュレーションゲーム部分は評価してますが、

シナリオ部分はあまり好きではありません。

民族≒対立するもの、として扱っている以上、どうしてもタクティクス・オウガは好きになれない。

フォリナー4姉妹やアロセール=ダーニャは大好きですが(若い女性だったら全員好きという話は無視。だってカチュア=パウエル@プリンセス・カチュア@主人公の姉が好きじゃないから。プリンセスというジョブが強くて助かるけども)

EsLoadはタクティクス・オウガの信者と勘違いされると微妙に困るので(「うたわれるもの」を酷評する理由の一つにされるのが非常に困るから)