浄竜院@ザレキネタ | 孤独が好きな寂しがりやBlog

浄竜院@ザレキネタ

世の殿方の持つ「理想の嫁さん」を端的に表す言葉が良妻賢母にあたるでしょうが、なかなかそのような女性はいないものです。

まぁ恋人と妻は立場も違えば責任も違いますし、視点も変わって「結婚する前は良かったけど……」なんていうのは男女共に思う共通事に近いです。


個人的に言わせて貰えればそんな事は世迷い言で、恋人は一時に、伴侶は一生付き合っていくものだから性質が全然違うだろうと。

極論なのかもしれませんが、相手を恋人じゃなくて人間として見てないからこそ誤って結婚して謝って離婚したりとか、我慢する事を知らない(正確には自己主張が多すぎる)からグダグダグダグダ抜かして乱痴気騒ぎカマして(隠れたところで)指差して笑われる対象になるんだろう、と。

あんまり言いたかぁ無いんですが、自分ははっきり「結婚というのは一生事やから恋人とはちゃうやん」なんてコト女性に抜かしやがりますので、好かれるか嫌われるかホントに両極端に分かれるようです。まぁプライベートな関係で、という接頭語が付くようですからまだ精神的にダメージは低い(っつーか限りなく無い)んですが。

まぁその絶対数(仕事上の付き合いね)が10人程度とあんまり少ないので参考にもなりゃしませんが。



そういうどーでもいー話は置いといて。



数年前でしたか、本宮ひろし氏が斎藤道三を主人公にした漫画を描いてましたね。タイトル名は忘れましたが。

結構悪辣っちゅーか、策士というイメージを前面に出した内容でしたが、この中に斎藤道三が(未だ美濃の国主の前だった頃に)国主(土岐頼芸)から不美人な愛妾を貰った件があります。



愛妾を貰う、まぁ下げ渡すというのは現在人の価値観ではいいイメージはありませんし、特に美少女系大好きヲタからみると「中古品を寄越すなゴルァ(▼皿▼メ)と怒号吹き荒れる事必定ですね。下○生2なんかヒロインが元カレに調教……じゃなくてベッドテクを仕込まれてたのが原因(血尿モノの濡れ場)で祭りが起こったようですが(笑)、当時の常識ないし一般的な男性(非ヲタ≒リアル恋愛の健常者)から見たら、ベッドテクに優れた女性はナチュラルに夜の生活はイイ(・∀・)bと思うのが普通なんですけども(自分好みの女性に調教(言葉責めとかいろえろ)したいという男性を除いて)。

ベッドテクに優れた女性ってマジ凄くて超翻弄されて何も言えなひぇん。特に何より自分でも気付かなかった性感帯を責められて「いやマジごめんヤメテやめないで勘弁してやっぱ続けて(*´д`*)ハァハァ」って体全体で悶えて新しい境地に入りかけたコトは思い出したく過去の5本指に入ります。マゾも悪くねーな、と。(いや器具を使ったSMでもないんですが、マゾって書いた方が分かりやすいので。っつか誤解の無い様に書いておきますが、SMシュミじゃないっす自分)

なんつーの、ベッドテクが上手い女性は「君が望む永遠」のマナマナっぽいと書けばその筋には理解してもらえると思います。イヤそこまで逝かなかったし金輪際そこまで逝きたくも無いんですが。いや……でも……ああん(身体を捩じらせながら)



そんな阿呆馬鹿発言はともかく、斎藤道三がこの時貰ったのは本当に美人ではなかったようです。ただ国主とのつながりを得るという目的があって不美人であっても愛妾を貰ったのが実情のようです。

このあたり、本当に政治的ですね。中世的といいますか。

ただ、愛妾を貰うというのは体外的に「国主から信頼を受けている」という宣伝材料にもなります。

今の言葉で言うと、政党内支持率が上がる、と書けば分かりやすくなるかな。

政党のトップから派閥の長に(女性じゃなくて)お金が流れる、という図式ですね。


そんな感じで、後に浄竜院を名乗る女性を土岐頼芸から貰った斎藤道三ですが、ご存知の方はご存知のように、土岐頼芸の子を懐妊してたようです(下げ渡された時と産んだ時を見ると9ヶ月弱しか無かった)

まぁぶっちゃけなくても男としては微妙ですよね。愛妾が自分の(とは思えない)子を産んだわけですし。


もっとも、この場合は斎藤道三から見たら政治的にいい事でありまして、斎藤道三の世継ぎは(土岐頼芸の落とし胤の)斎藤義龍とする事で

「美濃の国主は斎藤道三一代限りで土岐氏に戻る」

という「言い訳」ができるわけです。これは美濃の土豪や斎藤道三の両者から見てメリットはあります。


ただ、後の歴史が記すように、親子間で戦を仕掛けて斎藤義龍は(名目上の)父を討ち果たす事になりますが……




で、馬鹿みたいに前置きが長くなりましたが、このエントリの主人公である浄竜院ですが、物凄い情熱と執念を感じます。


実質的に、美濃の国主の座と共に斎藤道三の手中に落ちた女性は、生まれた斎藤義龍を道三の子として育てながら後に道三を討ち取らせる。ある意味、女性の情念の深さのようなものを感じます。

(義龍は家督を継げない、という噂がこの頃でている。

 別の男児が継げば、義龍及び浄竜院は日陰の存在となり、

 身分を実力で保証するものが無くなり、まさに生死を分ける事態になりかねない。

 御館の乱などを見れば、ある程度は想像してもらえるかと)


斎藤道三は類稀れな政治力を持っていましたが、その子義龍・孫の龍興はそれぞれに軍事能力は高かったものの、それほど政治力は無かったようです。

織田信長が美濃侵攻したとき、軍事直接対決では親子揃って織田勢をけちょんけちょんに追い返していますが、斎藤義龍は東美濃地方を、斎藤龍興の代では西美濃地方をそれぞれ失っていますからね。

それでも斎藤家の本拠である稲葉山城が落城しなかった理由は、先ほども書きましたが、(西美濃三人衆らの後援を受けた)斎藤義龍が織田勢を跳ね返した事が大きいです。

斎藤義龍の死後、浄竜院が主導で(斎藤義龍が嫌っていた)長井隼人と妥協、斎藤龍興の筆頭家老に据えて織田侵攻軍を撃退させる、という

現在の情勢に当てはめれば、政党内結束と言いましょうか、党首選挙で派閥票を丸ごと飲み込んで(妥協して)強力・安定した発言力を確保させています。


斎藤義龍が父・斎藤道三を討った時はあまり目立った存在ではありませんでしたが、孫の代で政治的逆転劇から軍事的勝利に導いた浄竜院。

前後の事情を併せて考えれば、義龍をして道三を討ち取らせたのは浄竜院でしょう。

この時期の女性は必ずしも男性の付属物ではありませんからね。議員を辞めた田嶋女史が喜びそうな意見ですが。



運命に翻弄されたかに見える女性が、

自分の子を動かして運命の襟首掴んで引き寄せた後、孫の為に奔走し外敵を叩きのめす。

それだけだったら女傑の名に相応しいんですが、この場合は猛き母と書いた「猛母」とか「猛祖母」の名が相応しいですね。


事実、浄竜院の死後に斎藤家は離反者が続発、2年後に美濃三人衆が投降・調略されたのに続いて稲葉山城は落城します。

(後に関城の長井氏も投降)



何と言いますか、こういう「強い」母ないし祖母を持つと便利(?)でいいんでしょうが、個人的にはリアルでいて欲しくないですね。

ザレキネタの前身の歴史ネタでも書きましたが、

|鍋島直茂の父親が、主の竜造寺隆信の母親から「後妻を世話しましょうか?」と言われました。

|まぁ、主の奥方ですので、「お願いします」としか言えなかったんですが(この辺、会社のオーナーの奥さんにあたりますか)、

|そうしたら、竜造寺隆信の母親が後妻に来てしまっちゃった。

|普通に考えると、適当な女性を世話すると考えますが、本人が着ちゃった。

|そうとう年齢をとっているのにです(確か)。

|彼女の本来の目的が夫の息子(鍋島直茂)と竜造寺隆信を義兄弟にする、というもの。

|当時としても普通ありえません。

|女性といえども、主=主の奥方ですから(家のつながりが主従関係ですので)。

|よほど鍋島直茂(幼少期ですが)が利発だった、というエピソードですが、どちらかというと笑い話に近いですね。

なんて事例もありますし、

伊達正宗の母親も駕籠に乗って戦場(リアルに戦場。両布陣の間)にやって来て、実家と婚家の戦を辞めさせたエピソードもありますし。



そんな女性はやっぱり怖ぇよ、という今回のザレキネタでした。