孤独が好きな寂しがりやBlog -7ページ目

日本の外交についての雑考

最近、韓国の動静がすっごい不安定なのを受けて、つらつらの日本の外交の重要性を考えてみた。

日本にとって、現在、プライオリティ(優先度)の高い物は何か。

それは、日本経済の根幹を成す経済的なものであることは言うを待たない。日本経済の高さこそが「日本の国際力」と言っても他ならないほど、日本の政治的な発言力は無いし、影響力はそれほどない。
日本を日本たらしめているのは、経済力。哀しいかな、それが現実のようだ。

そういう意味では、経済の高さを安定させる事が、日本外交が最も優先させるものであろう。
では、何を優先させるべきか。
シーレーンの確保だろう。
シーレーンの安全確保(安全保障)が無ければ、日本はあっという間に最貧国に陥る。殊に食料自給率の低さもあって、日本一国だけでは1億3000万人を養う事は出来ない。これは歴史が証明している(マッカーサー発言など)。

日本のシーレーンのうち、亜米利加方面はさして問題は無い。広い太平洋の中に不安定要素を生み出す国家も無いのが原因だ。
しかし、中東方面から日本に伸びているシーレーンは一つ不安要素がある。
中国と台湾の関係悪化がそれにあたる。

日本から見れば、中国と台湾の関係悪化、正確には中国が台湾を「飲み込んだ」時にシーレーンの安全保障が十全と言えなくなるだろう。

そもそも、中国と日本は経済的な繋がりもあって比較的穏健と言えるが、最近の中国の行動には疑問が残る。
中国の言いがかりとしか思えない尖閣諸島の領有問題や、国境まで突き出してきた潜水艦の問題もある。
特に潜水艦が国境まで突き出してきた問題は、外交問題、最悪戦闘行為に入ってもおかしくは無い事態だった。もともと日本の外務省が弱腰な事、いわゆるチャイナ=スクールがあった事から「何事も無かった」かのように扱われたのだろう。主権国家としてはどうなのか、と疑問に思わざるを得ないのだが―――。

そういった昨今の中国の行動を考えれば、経済的なつながりがあるから、と言う事で中国を全面的に信用していいものではないだろう(もっとも外交関係で全面的に信用していい場面など存在しないが)。
日本から見れば、中国が台湾を飲み込んだ時に「シーレーンを外交カードとして扱われる」場合を想定して、それを阻止すべく動くべきだ。

ただし、日中間や国連の場では、中国の脅しもあって、台湾は国家間の異端児として扱われている。台湾の国連加盟支持国は20数ヶ国という(日本も常任理事国も支持はしていない)

なかなか外交というものは難しいものだ。
日本から見たら中国は経済的な繋がりもあって重要視すべき国なのだが、その国が日本のシーレーンを脅かす可能性を持つ国だとは。

そういう視点から考えれば、日本は中国が台湾を飲み込む事の無いように手綱を取る必要がある。

手法としては、(集団的自衛権の問題もあるが)日米演習を台湾近郊(沖縄近辺)で行う示威行動があるだろうか。
もしくは、国連の台湾加盟国を増やすべく(特に亜細亜方面で)裏面で行動する、という方法もある。
台湾―日本以外の国の経済的な繋がり(観光業は除く)を増やせば、台湾の存在自体が利害を一致させる事もできる。
あるいは、台湾に大きく、権威のある大学を建設させて、多くの留学生・教授を招き、いわゆる人間の壁を作らせるのもある。
ASEANほどではないが、何がしかの経済圏的な会議を持ち、台湾にも加盟させるというのもある(ただし弱小国同士だとあまり意味は無い)
日本政府として「あらゆる戦闘行為は集団的自衛権を明文化させるきっかけになるかもしれない」という発言も必要だろうか(イラク派兵問題もあるが…)

まぁいろいろとあげつくろってみたが、実現性の高いのはあまり少ないように思える。
何にせよ、現状では「日本のシーレーン確保のために台湾を防壁とする」のが最善だろう。現状維持、といえばその通りなのだが、少なくとも台湾の政治的(反中国的なもの)・軍事的な要素を弱めるのは日本を危うくする一歩であるのは間違いではない。

 


次いで大事なのが、世界の注目の集まるイラク派兵だろうか。サマーワ市方面に駐留している陸上自衛隊だが、こちらは少しずつ事態が緊迫している。やはり大きいのが「(侵略者として見られている)亜米利加の子分」という見方のされ方だろう。また、イラクに派兵している国が脱落していっているのもある。

現状で考えるなら、日米関係もあって、陸上自衛隊を撤退させるのは少し難しい。
国連やEUといった多国間の連合はともかく、二国間の同盟関係で言うなら、日米間ほど強い同盟関係は無い(どちらかというと主従の関係に近いが)。その関係もあって、日本が撤退するのは日米間、厳密には大国間のパワーバランスが崩れかねない事、亜米利加は日本を(経済的に)締め上げる事が出切ることを考えれば、イラク派兵で多少汚名を喰らっても仕方ない面がある。

では、日本はイラクで何を成すべきか、という点に落ち着くのだが、これはもう治安維持と農工商のインフラ整備、医療・衛生・教育の完備、衣食住の安定供給を「少なくともサマーワ市だけで」行って聖域に近い物を作るべきだろう。ただしこれは民間企業の協力が不可欠で、それを防衛するための武力が必要になる。
陸上自衛隊にその装備を揃えさせ、数的な戦力を揃えるのが大前提になる。

その覚悟があって、それをやり遂げる事が出来たなら、日本の国際的な位置付け(正確には自衛隊)は「護民軍」として名を馳せる事ができるだろう。
それは第二次世界大戦で亜細亜解放を成し遂げた功績以上のものになるに違いない。

 

その次に来るのが北朝鮮問題だろうか。
最初に考えたのが韓国の怪しい動静だったのだが、何気にプライオリティは低い。
北朝鮮の海軍力の低さと(日本侵攻においての)陸軍の数的劣勢を考えれば致し方ない。
もっとも、ミサイルをぶっ放されるだけで多大な被害をこうむる事になるが…。

ただ、北朝鮮に限って言うのなら、信用度はゼロに近い。
日朝間の平壌宣言も踏みにじっているし、
1995年のKEDO(日本・亜米利加・韓国・EUによる朝鮮半島エネルギー開発機構)の一方的破棄(に近い)事をやらかした「前科」があるからだ。
(KEDO:核開発を断念する変わりに重油50万㌧の供給を受ける)
それを考えれば、何を悠長に6者協議をやってるんだ、という話にもなる。
話し合いで解決できるのなら、それに越した事は無いが―――。

北朝鮮をどのように扱うか。
現状で考えられるのは、経済制裁だろうか。
経済制裁を行い、拉致問題を解決・安全保障の確保させる。その一手しかない。
ただし、これで必要なのは「北朝鮮(金政権)の延命」というカードだろう。

北朝鮮の惨状は目に余るものがあるという。
人道的に考えるならば、北朝鮮を延命させる事は罪悪だ。
しかし、朝鮮半島が一つの国家にまとめるには少し抵抗がある。

「北朝鮮が核を持つのを理解できる」という韓国大統領の発言がその原因だ。この発言は韓国が核を所有、と見る事も可能だ。その技術的手法が北朝鮮の開発した核技術だろう。
この発言を容認してしまっては、北朝鮮という脅威を排除しても、韓国ないし統一コリアという新しい脅威が出来てしまう。特に、朝鮮半島が統一されては、朝鮮半島の国家(統一コリア)が海軍力を増強し、日本に対する脅威にもなる。

先ほども書いたが、北朝鮮の国民の惨状は伝えられているように、極端な飢餓状態に陥っている。戦前に日本が朝鮮半島に残した技術的なものも、1960年代に使い果たして継続・発展しきえず、今では残骸しか残っていないという。

外交はチェスゲームと割り切って北朝鮮を存続させるか、人道的に北朝鮮(金王朝)を崩壊させるか―――。
政治家か人間か、というジレンマに陥る。時として、政治家が発狂しかねないほど受ける重圧だ。
これに関しては、政府主導者の人格やバランス感覚に左右される。

裕福な自国民を優先させるか、飢餓に陥っている他国民を優先させるべきか。
恐らくは、この点こそが北朝鮮問題をどのような結果に持っていくかの分水嶺になるだろう(敢えて「誰が」とは書かない)

 


そんな事を思った無職の1日でつ。
乱文・駄文で申し訳ない。

ゲーム―――テーブルトークRPGとテキスト系アドベンチャーゲーム・シナリオの類似性

自分の趣味のテーブルトークRPG(以下、TRPG)ですが、同じ「ゲーム」ジャンルと言う事もあって、何気にコンピュータゲーム(家庭用コンシューマ機やエロゲー(笑))類似している点が多いですね。
TRPGユーザ兼コンピュータゲーマーから見たら「何を今更」と言われるかもしれませんが。

TRPGでは、GM(ゲームマスター)と言われる司会進行役が、コンピュータでいうCPU側ですし、
シナリオはテキスト系アドベンチャーと同じように、
GMがチャートから登場人物、参加者に出す情報管理(フラグ)などを整理して、ようやくシナリオが完成します。

ただし、TRPGはコンピュータゲームと違って「参加者は『可能な限り』自由に行動できる」のが特色です。
コンピュータゲームだと決まった道筋しか取れませんからね。プレイヤーが「こういう行動を取りたい」と思っても、「それは選択肢にありません」ということで行動が取れません。

アナログ的なTRPGと、デジタル的なコンピュータゲームの違いですね。
ユーザの嗜好の違いも左右されるのですが、「参加者が物語を生み出す」のがTRPG、「参加者が(提供された)物語を読む」のがコンピュータゲーム、と考えたら分かりやすいかもしれません。


TRPGはアナログ故に自由度が高いのですが、参加者やGMの人間性や処理能力に依存する点が高く、また参加者同士が(ゲームする)時間をあわせる必要がある、というのが難点ですね。
しかし、会話のキャッチボールや、他参加者の気の利いた言葉や(いい意味での)意外な行動を見る「可能性がある」事を考えれば、非常にダイナミズム溢れるゲーム、と言えるでしょう。
うろ覚えで恐縮なのですが、13Hz!のわくたま様が自Blogのコメントに「作家や脚本家はテーブルトークRPGをやった方がいい」と書かれたのはそのダイナミズムさを指した言葉だと思います。

コンピュータゲームはデジタル故に(厳格にフラグ管理されている事もあって)定められた行動しか取れません。分岐・選択肢が存在する点を除けば、読み物としては小説に近く、そういった意味では、シナリオライターに作家性が要求されます。
登場人物の魅力やシナリオ展開などを(良質な物語を書ける)シナリオライターに多く依存してしまうのですが、一つのゲームで複数の物語を堪能できる、というメリットがあります。
TRPGは限られたコミュニティなので、そのシナリオを多くの人に見られる事はないのですが、
コンピュータゲームは多くの人にプレイしてもらえるので、(登場人物の魅力などを)2次創作といった「アナザー・ストーリー」に展開できるメリットもあります。


こういう違いがあるTRPGとコンピュータゲームですが、おおまかなシナリオの流れはつまるところ「人」が作ることになります。
コンピュータゲームのシナリオを作った事が無いのですが、TPRGのシナリオなら自分も作った事があります。
一つのシナリオの簡単なチャートと展開概要をコチラコチラに用意しましたので、興味のある方は見てください。
(当然ながらこれだけではTRPGのシナリオと言える代物ではありませんので念のため)
(タイトルが「女郎蜘蛛」なのは某アトラク=ナクアを参考にしている、というのは秘密の話(笑))

先ほど書いたとおり、TRPGは「参加者が物語を生み出す」ものですので、コンピュータゲームのシナリオ作成でいう「フラグ管理」までにあたります。
フラグ管理といっても、TRPGはアナログ的な要素が強いですので、厳格に定めるわけではありません。
シナリオ進行が遅いな、と言う場合は適度なところでフラグ成立(情報を提供する)させたり、
参加者の行動によってはフラグ成立条件を満たす場合もあります。そのあたりはまさに柔軟性溢れる「人の意思が介在した真のアナログゲーム」といえるでしょう。

コンピュータゲームの場合は厳格にフラグ管理しないとバグが出る可能性が激烈に高くなりますので、その点不自由と言えば不自由ですね。ですが、厳格にフラグ管理を行うからこそ、シナリオライターが紡いだ物語の良さを上手く表現させる事が出切るのも事実です。


大まかなシナリオ作成とフラグ管理。
そこまではTRPGとコンピュータゲームのシナリオを作る手法とはあまり変わらないのではないでしょうか。
TRPG的なシナリオ作成とフラグ管理を行った上で、登場人物の台詞―――小説的な要素―――をミックスすれば、コンピュータゲームを作るのは可能だと、自分は考えます。


余談になりますが、
自分としては、TPRGのシナリオを作って、参加者の行動を見て(ときには楽しんで(笑))いくと、作家性はある程度は養われる可能性を秘めているのではないか、と少し思ったり。
そういった意味では、コンピュータゲーム業界の人間がTRPGをプレイしていないのに少し違和感を感じたりします。

【ザレキネタ】杜子春―――中国オリジナルと日本版@芥川龍之介

杜子春の物語といえば、少し本を読まれる方には身近な存在ですね。
文豪の最高峰たる芥川龍之介の著作ですし。芥川龍之介の著作では、「くもの糸」に並んで有名なタイトルでもあります。

芥川龍之介の作品と言えば、元は中国の小説・古典が出典(?)と言う事はよく知られた事実ですが、杜子春もその例に漏れず、原典は中国の小説です。
ちょっと調べてみたところ、「続 玄怪録(しょく・げんかいろく)」という本が原典のようです。
とはいっても、「続 玄怪録」に編纂されたのが9世紀中ごろですので、もう少し前の時代に書かれたのかもしれません。

文学というのは基本的に平和な時代に書かれるものが通例ですので、唐の時代に書かれたんじゃないかな、と自分は思っています。いわゆる乱世の時代に小説(物語)を書く余裕なんてありませんからね。いつ殺されるか分かりませんから。
日本だって、その例に漏れませんね。竹取物語や源氏物語は平安時代ですし、明治時代の文豪・夏目漱石や芥川龍之介も(日本国内が)平和な時代に名を成していますし。逆に、応仁の乱から戦国時代にかけては有名な物語はありませんね。


話が逸れました。
杜子春は先ほど書いたとおり、「続 玄怪録」に掲載された物語です。李復言(り ふくげん)という人が9世紀中ごろに編纂した、と伝えられています。
タイトルが「続」とあるとおり、「玄怪録」という書物もありますが、内容的にはあまり変わらないようです。作者というか編者(牛僧儒:ぎゅう そうじゅ)は違うようですが。

李復言、牛僧儒という人は、中国ではいわゆる2流にあたる人物のようです。
もともと、中国では1流の人物は歴史編纂に流れていきます。
物語を何故「小説」と「小さい」という漢字を当てるのか、というと、「史実」>「作り物語」という風潮が中国であったからです。読んでいる、という事実すら憚るような事象だった、とも言われていますので、一種のポルノ的扱いを受けていたのかもしれません。幼児が読むような三国志の絵本版よりも扱いが低かった、と言っている人もいます。


で、再び話が逸れてしまいましたので修正(笑)

杜子春の物語@芥川龍之介は人口に膾炙していますが、念のために簡単なあらましを。


洛陽という中国で大きな街で金持ちの息子に生まれた杜子春ですが、財産を使い果たして貧乏になったところ、見た目貧相なお爺さんが「黄金が沢山埋まった場所」を教えてくれます。
で、その黄金のおかげで金持ちになった杜子春ですが、馬鹿丸出しで再び財産を使い果たして貧乏になって、再びお爺さんに黄金が埋まっている場所を教えてもらって金持ちになるんですが、反省すら知らぬ猿以下ばりに、再び財産を使い果たしてすっからかんになります。

で、もう一回お爺さんに黄金の場所を教えてもらうのですが、「お金はいらない。人間に愛想が尽きたので仙人になりたい」とお爺さんに言います。
実はこのお爺さん、峨眉山(がびさん)に住む鉄冠子(てっかんし)という仙人でして、杜子春を弟子にします。

峨眉山に連れていかれた杜子春ですが、鉄冠子が
「お前はそこで待っておれ。
 ただしどんなやつが現れても、どんなことが起こっても、天地が裂けても口をきいてはならない。
 一言でも口を聞いたら仙人になれないからな」
と言い残して立ち去ります。

その後は恒例の(?)稲妻やら火柱といった怪現象、身の丈3丈の神将が脅してスカして斬り殺して、果ては閻魔様からは地獄の責苦フルコース。
で、閻魔様も呆れたか怒ったかで、
「杜子春の父母は畜生道に墜ちているから引っ立てて来い」
と命じて、痩せ馬に転生(?)された杜子春の両親を連れてきます。

で、まずは杜子春の父親が鞭打たれて殺されて(死んでるんではなかったのでしょうかという突っ込みはさておいて)、
さて次は母親の番だ―――という所で(馬だけど)母親が
「私たちがどうなっても、お前が幸せになってくれればいいんだよ。
 言いたくない事は黙っておいて」
その言葉を聞いた杜子春が、ついに「問うに落ちず語るに落ちる」っぽく、ついに
「お母さん」
と叫んだ瞬間、場所は変わって洛陽。

結局、杜子春は人間らしい真っ当な暮らしをしようと誓う―――

そこで、この物語は終わります。


結局のところ、息子は何をやっても母親には勝てない、という事をあらわした物語ですが(違)
オリジナルは最初と最後の部分が異なります。
というか、続きがあるんですね。
実は杜子春が生まれ変わってから―――という物語があります。


一応、整理しておきますと、オリジナルと芥川龍之介版は、まず舞台から違うんですね。
昔の中国の大きな都市名を2つあげろ、といわれたら、大体「洛陽」と「長安」を指すと思います。
北京・南京といったあたりは、そうですね、元の時代あたりから出てきてる具合でしょうか。

で、芥川龍之介版は洛陽が舞台ですが、オリジナルは長安が舞台となっています。
これは日本に馴染みがあるのが洛陽だから、ではないでしょうか。
中国を模倣して作った京都を洛中・洛外というのは、洛陽の文字を使ったと、いう点で芥川龍之介は洛陽を舞台とした、と推察されます。

あと、芥川版では「黄金」を貰う事になっていますが、原典では「穴明き銅銭」です。
お金という意味では、銅銭より金の方が馴染みがあるからでしょうか。
(これは当時―――明治時代―――の貨幣事情もあります)


大きな違いは、杜子春に与えられる責苦です。
芥川版では両親となっていますが、原典では妻に危害を加える事になっています。

中国では「孝(親子関係)」を重要視しています。日本では「和(協調性)」ですね。
そういった国情の違いもありまして、親を叩きのめされると「話が続かない」ことになります。親を叩きのめされているのに我を通そう、というのは、中国では許されざる事になります。日本で協調性を乱す行為、という具合に捕らえると分かりやすいでしょうか。

かの三国志演義でも、劉備玄徳が「親兄弟は腕のごとし、妻子は服のごとし」と言ったように、「親兄弟は取替えがきかないけど、妻子は取替えが利く」というものです。
なので、親を叩きのめされる事になると、中国では「受けが悪い」ことになり、妻を叩きのめされる、という展開にしたのでしょう。

まぁ日本ではカカァ天下が一般的普遍的恒久的法則ですので、その場面を読みたい男性諸氏が(一部)いるかもしれない、というはさておいて(笑)

そういう国情を踏まえておいて、原典のその後を。


まず、閻魔様、ではなく、峨眉山に現れた神将が杜子春を脅してスカしても反応が無い(?)ので、(両親ではなく)妻を責め立てる事になるのですが、一向に杜子春は口をきこうとしません。
嫁さんは
「名前さえ言うだけで私は苦しまなくても済むのに、あなたは酷い人だ」
と慟哭するのですが、それでも口をきこうとしない杜子春。
さすがに呆れた神将が
「おまえは生かしてはおけない」
と杜子春を斬り殺してしまいます。

で、地獄に墜ちた杜子春ですが、ここでも地獄の責苦フルコースを喰らわされながらも、口をきこうとしません。
結局、閻羅王(閻魔様ではないけどおなじようなもの)から
「杜子春は陰が勝った人間だから、女に生まれ変わらせるように」
ということで、女に生まれ変わる事になります。
(男性の性器を陽物、女性の性器を陰部、と言うやつですね)

女に生まれ変わった杜子春ですが、相当美貌の誉れが高い女性になります。
で、妙齢の女性となって、進士(超一流のエリート。玉の輿)に嫁ぐ事になりますが、生まれ変わっても見上げたもので、まるで口をきこうとしません。
(ベッドの上でも口をきかなかったのでしょう(笑))

で、さすがに旦那もキレてしまって、
「こんな事なら息子がいたって仕方がない」
と叫んで、杜子春の生んだ息子(幼児)の足をつかんで石に叩きつける、という現在の親ですらやらない既知外沙汰をしでかします。
―――血の濺ぐ(そそぐ)こと数歩―――
とありますから、血が2メートルくらい飛び散ったのでしょう。

杜子春はこのとき、ついに
「噫(おっ)」
と叫んでしまいます。

で、ここで舞台(長安)に戻ります。
ここでお爺さんは
「お前は、喜・怒・哀・懼れ(おそれ)・悪・欲は忘れた。しかし忘れるに至らなかったのは『愛』だけだ」
と言い、物語を結んでいます。
(ちなみに、原典では「不老長寿の薬のために『口をきいてはならない』」と命じられています)


芥川版では、「子の親に対する愛情」を主眼に置いていますが、原典では「親の子に対する愛情」を主眼に置いていますね。
先ほど、中国では「孝」を重要視している、と書きました。
それは「子から親」への意味ですが、「親から子」は『慈』と言います。
両方とも親子間のものですが、基本的に中国では「孝」を重要視している事もあって、そのアンチテーゼとして「親から子」という「慈」をテーマとしたのでしょう。


人口に膾炙した、芥川龍之介の杜子春。
オリジナルの杜子春。

どちらも愛情をテーマにした物語ですが、何気にオリジナルの方―――「慈」を扱った物語の方―――が内容的に良いなぁ、と、時々思う今日この頃です。

あめぶろ

新しくリニューアルしてめちゃめちゃ使いにくくなった雨風呂。どうなのか。

っつかタグが使えなくなったっぽいのが痛い。見た目もあんまりよくないし。

こうなりゃライブドア風呂具に舞い戻りか?と思う今日この頃。

エロゲー業界は不況らしい【後編】

前の記事@エロゲー業界は不況らしい【前編】


数年前まではパソコンは「一部の趣味人」の所有する物であり、制作サイドも同じ「趣味人」だった事も手伝って、内輪で細々とやるような狭い業界だった。
その流れで―――狭い業界の常識のまま―――現在に至っているがため、パソコンユーザの増大ほど、エロゲーユーザが増大していないのではないだろうか。購買客が固定されている、というのは、その傍証と言える。


また、エロゲーユーザと同様、それを生業とする業界人が増えないのも一端であろう。ただでさえオタク的要素が強いうえ、実質的にポルノ産業でもあるが故に、それを「職業」とするには余りにも敷居が高すぎる。
他にもエロゲーよりも市場規模が大きく、一般的な認知度も高い家庭用コンシューマ機―――一般的な意味でのゲーム業界―――の存在もある。同じゲーム業界ならば、(市場規模の違い≒収入の違いもあって)エロゲー業界よりもそちらに人が流れるのは当然である。


他にも一つ原因が想像できる。
最近、手に取って見るゲームはテキスト系アドベンチャーゲームが極端に多い。時折10%に満たない割合で(ゲームと言うより作業に近い)数値系シミュレーションゲームを見かけるくらいだ。
エロゲーはポルノであるのと同時にゲームでもある。ゲームを楽しむ、と言う意味では、テキスト系アドベンチャーゲームはプレイヤーの満足感を満たす事は出来ないだろう(読んでしまえば終わりなのもある)。マンネリ化が進んでいる、と言えるかもしれない。
(ファンディスクなどにミニゲーム的なゲームは存在するようだが)


それはテキスト系アドベンチャーゲームが悪い、と言う事を指していない。テキスト系アドベンチャーゲームは絵本のようなもので、ポルノ的な表現を最大限に生かせるシステムだ。その意味ではテキスト系アドベンチャーゲームが多くなるのは当然である。

問題なのはテキスト系アドベンチャーゲームに「物語性を演出しようとしている・要求されている」風潮だ。
良質の物語性を演出するには作家性が要求される。しかし作家性とは多くの人間が持っているものではない。
希少性に富むからこそ「良質と評価される」のであって、誰もが良質の物語を書けるなら、最近言われている「出版不況」は存在しないはずだ。


あと、恐らく最大の原因が価格の高さだろう。基本的に8800円という価格は家庭用コンシューマ機と比較しても高いし、他のポルノ的なエロ本やAVと比較しても高いと言える。

中古のエロゲーを見てみると、概ね4000円から5000円の間で価格設定されていることが多い。無論、ワゴンセールによる在庫放出品といった例外があるにせよ、その価格がおそらく「ユーザがエロゲーを買うギリギリの価格帯」と判断できる。
だが、その価格で売るには、販売本数を単純計算で2倍に増やさないと採算(開発費や人件費)が取れない。企業経営で最も大きなジレンマと言える。


購買客層の固定化、人材の不足(流入阻害)、ゲームのマンネリ化、そして価格の高さ。
「エロゲー業界は不況なんだよ」とこれらの現状を揃えられれば、なるほどと納得せざるを得ない。


不況だからとはいえ、全く売れていないのか、というと必ずしもそうではない。
開発力の高さを持つアリスソフトや、物語性を重要視したKeyブランドなど、高い売り上げを誇っているソフトハウスもある。
また、全国的に地道な営業で売り上げを上げているminori様(ソフトハウスか個人名かどうかは知らない)の存在を無視してはならないだろう。

だが、他の中堅以下のソフトハウスにそれを望むのも酷な話だ。
酷な話ではあるが、だからと言って売り上げを上げる方法が無い、というわけではない。


まず、購買客層の固定化だが、いかに「潜在的な顧客」の認知度を上げるか、という点に尽きる。
元々エロゲーユーザはオタクでもあり、エロゲーにのみ興味を持っている、というわけではない。他にも「こだわっている」分野があるはずだ。
それは何か。正直に書けば、現在の自分には分からないが、想像はできる。
家庭用コンシューマ機でいうギャルゲーマーや漫画・アニメ層がそれに当たるのではないか、と考えている。
週刊ASC○○といったライトユーザは少し考えにくい。
(好奇心旺盛な)大学生も潜在的な顧客、と言えるかもしれない。

ポルノ産業であるが故に、認知度を上げるための告知営業は少しやりにくいかもしれない。しかし決して不可能ではないだろう。読者層が20代の雑誌やユーザの趣味が重なっていると想定できるジャンルへの雑誌告知を行えば「エロゲーという存在は知っていても…」というライトユーザへの認知度は上がる。


人材の不足で言えば、少し深刻なのかもしれない。
ヴィジュアル的なCGやシステムを担当するプログラムに関しては問題ないだろう。
しかし、一つ見逃せない点がある。発売延期が当然、という事態だ。

これが意味するのは、制作サイドの内部管理が上手く行ってないのだろう。
進捗管理を含めて、遅れがちなチームには人やフォローの手配、雑誌やWebでの告知、業界に関するコネなど。
これらを統括する人間、所謂プロデューサーや開発管理ができる人材に不足している、という現実があると想定できる。

エロゲー業界では通常、ゲームの根幹を担うシナリオライターがその任にあたるという。しかし、シナリオライターにはシナリオのプロットやテキストを打つ、という個別の作業がある。おそらく、個別の作業に専念してしまうが故に(スケジュール調整などを含めた)内部管理が上手くいっていないのかもしれない。
本来ならば、そういった内部管理は専属の人間が必要になるのだが…。

とはいえ、内部管理だけ、という業務は余りにも仕事が少なすぎる。プログラム・CG・テキスト打ちなどの汎用性に長けた人がいれば、フォローにもまわせるし、専属の業務にも携われる。また、この業界に付き物のバグチェック・バグフィックスにもまわせる点が大きい。
「発売延期の無いソフトハウス・ブランドは無い」とまで言わしめる現状を見れば、そういった手法を取っているソフトハウスはどれくらいあるのか、少し疑問を感じざるを得ない。

あと、先ほども書いたが、全国に営業展開したminori様の行動が「特別視」されているのがそもそもおかしい。東京・大坂といった大都心はともかく、地方都市への営業を行っていない様子が窺えるからだ。モノを売る、という観点から見たら営業努力は必須(というか基本)なのに、それを行わないで「業界は不況なんだ」と言われても筋違いといえるだろう。


ゲームのマンネリ化は意外に深刻なのかもしれない。スクリプトプレイヤーという手法に慣れすぎた弊害と言えるだろう。
だが、対応は可能と考える。

家庭用コンシューマ機に「SIMPLEシリーズ」がある。低価格ながら「一点主義」なゲームでロングセラーを誇っているブランドと言えよう。
ディースリー・パブリッシャーというメーカーがそれだが、こちらでは「開発会社に委託」する事で低価格ソフトの販売を可能にした。
その手法が取れるのでなかろうか。というか、普通に取れるはずだ。
敢えて単純化させて書くが、「1ステージ目をクリアしました、次はえっちシーンです。2ステージ目をクリアしました。別のえっちシーンになります」という事で、開発コストの削減を実現するのも可能だろう。


価格の高さは、いかんともしがたい。
しかし、こちらも対応できると自分は考えている。

まず、中古市場の規模、そして「昔のゲームは中古を買うしかない」という事実を見れば、どのようにすればいいか、というのは自ずから明白だ。

すでにモノはある。バグフィックスされたパッチも存在している。
ならば、廉価版を売り出せばいい。

製造コストはそれほど高くない。
また、小売店にコネというか、普通に営業努力していれば、
小売店から見ても「前回は少し数を控えたけど…」といった理由付けも可能だし、
また、中古買取という商品品目・絶対数の不安定さを補える事から、決してデメリットばかりではない。

(業界外、という自分から見た視点になるが、)
エロゲー業界が不況と言われているものの、上記のごとく「やるべき事をやっていない」からこそ不況―――正確にはユーザの絶対数が増えていない―――と感じるのではなかろうか。

ポルノ産業である事、そしてオタク産業でもあるエロゲー業界だが、そういう業界だからこそ、スタンダードな開発や営業、必要に応じたコスト削減案、「他業種ではこうだが、それをエロゲー業界で生かせないだろうか」という好奇心の強さ、情報収集などを心がけるべきなのだ。


目や耳に入ってきた情報―――infomation―――を自らの頭で整理して情報を構築―――intelligence―――し、知性―――wisdom―――に昇華させる。
人は必ずしも成長するわけではないが、長期的に見れば必ず成長していく。その成長した人が集まって構成される社会や組織・業界も成長していくのは自然の流れだ。
日進月歩、とまではいかないにせよ、少なくとも、自らを成長させる機会を喪失するのは、当人にとっても不幸だし、周りの人や組織・業界にとっても不幸な事だ。

エロゲー業界は、その制作スケジュールの逼迫さから来ているのであろう、成長させる機会を失っているのかもしれない。また、オタク的な資質―――自分の興味の無い事にはあまり目を向けたがらない―――という遠因もあるかもしれない。

開発では当然考えるべき、PDCA(Plan・Do・Check&Action)はやっているのだろう。しかし、それとは別な事(経営的な事など)の努力を怠っているように見える。

そういった成長志向―――一般的な職種であれば持っているはずの欲求―――こそが、エロゲー業界が衰退しているように見えるのではなかろうか。

ヲマケ。
エロゲー業界に飛び込もうとしている自分ですが、当然のことながら、これは提出予定でっす。
あと、ここには全てを書いているわけではありません。営業に関する事や運用論(?)に関しては、自分の頭の中に存在しています。まぁバレバレかと思いますけど。
で、履歴書持って面接の時にこの話題が出たら補足事項・運用論を述べる事になりますね。下手したら1時間以上かかるかもしれませんが(^^;
まぁ100のアイデアがあったら実行可能なのが10、実行に移して成果を上げるのが1、という具合なのは常識なんですが。

兎にも角にも、これを読んで「是非ウチに来てくれ」とか「会ってみたい」と仰られるソフトハウス・ブランド様がおりましたら、スグにでも駆けつけますので、是非是非よろしくお願いいたします。
あ、連絡先は
esload@white.livedoor.com
(@は小文字変換願います)
でっす。


ヲマケのヲマケ。
同人ソフトについても書いたけど、こちらはボツ。
長くなりすぎて削除せざるを得なかった ○| ̄|_
っつーか、削除せぇへんと(同人ソフトねたも含めた)100行くらいの文章はさすがに記事に入れられん…

ついに

無職になりました。
よーやっと借金を返し尽くして身軽な身分になれた事も合って、今までの「かね・カネ・金」という生活を脱ぎ捨てて「自分のやりたい職業に就く」のが許されるように(?)なれました。
まぁ自分のやりたい職業がえろげ業界かよという突っ込みはさておいて。


今回、3ヶ月弱という短期のお仕事だったワケなんですが、見事に100%の落ち度は無い状況で終わらせる事が出来たのは、SEとして誇りにしていいでしょう。簡単なお仕事というか、慣れたお仕事だったと言う事もあるのですが。
リアルに構築したサーバは7台。
ドメインコントローラ(WinServer2003(Eng))が2台、業務用アプリサーバ(WinServer2003(Eng))2台、プリンタサーバ(Win2000Server(Eng))1台、DHCPサーバ(Win2000Server(Jpn))2台と、まぁ大した事ではないですね。もっとも、全世界にちらばる多種多様のサーバと連携を取る必要があったのですが、ネットワークチームの完璧とも言えるお仕事結果もあって、特にトラブルも無く(まるで無かったワケではないけど)落ち着いて報告用ドキュメント作成まで完了。
今までの経験上、ここまでトラブルが無かったのは驚嘆すべき事です。だって殆ど定時で帰れましたからね、自分。平気でBlog書いてたし(笑)。上司は(フレックス制を採用している事もあって)自分より早く帰ったことはありませんでしたが。

ちなみに、最終日ですが、自分の直属の上司は(自分と関係ないチームの)対応に追われていて、最後にちゃんとしてお別れ(?)の挨拶が出来なかったのが残念です。おかげで(入場用カード返却とかできなくて)定時に帰れずにちょっと涙してました(^^;


しかしなんちゅーかなぁ、今回は予想より楽なお仕事だったのが意外だったな。
日単位あたりの作業スケジュールが遅れなかったからこそ、楽な仕事だったと感じたのもあるかもしれませんね。
ただ、バッチ作成・テスト・反映で1日ずつ取る、という余裕持ちすぎなスケジュールだったのもありますけど。バッチファイルなんぞ半日(下手すれば1時間)で出来るっちゅーねん(笑)


さて。
ようやく仕事も完了して、手取り30万円Overのお仕事はこれでしばらくは無いかな。出世したらそれくらいになるかもしれませんが、えろげ業界は給料が安いこともあって、少なくとも最低2年間は<B>冗談抜きで給料半減</B>するでしょうなぁ。まぁその辺が痛いと言えば痛い。
その前に就職できるかどうか分からないケドさ。

ちなみに、自分的タイムリミットは7月上旬くらいを考えています。
それくらいなら、何とか生活できるでしょう。で、えろげ業界に入れなかったら、地元に帰って安い給料での転職、という具合かな。
引越し費用は親に泣きつく事になるかもしれませんが。

惜しむらくは、えろげ業界に入るには「作品」が必要な事。
テキストベース(要はえっちな文章とか)では、何とか1つくらいはあるんですが、それでは足りないよ、というか、少しパンチ不足なので、1週間くらいは制作・書き直しにしておこうかなぁ?


そんなこんなことを考えてるEsLoadです。

エロゲー業界は不況らしい【前編】

世の中は不況と言われている。株価や地価の低迷を見ると「そうかもしれないな」と感じる。
しかし、世の中は本当に不況なのだろうか。高校生が携帯電話を持ち、各家庭には冷暖房がほぼ完備されている。その現状を見れば、本当に不況なのか疑問に思う。
否、思っていた。

よく考えたら、生活必需品を優先して消費に回される。そして残った財(お金)を娯楽や貯蓄に回す。携帯電話や冷暖房が生活必需品となっているからこそ、携帯電話や冷暖房が各家庭にあるのだろう。決して「不況ではないから」という理由でそれらがある事イコール不況でない、と判断するのは早計であった。
そういう意味では、自分の持つ経済知識はそれほど高くないのを証明している。

確かに、経済を学んだのは高校までだし、一応独学で経済を勉強している「つもり」ではあったが、資料も少ない上、別に歴史という趣味を持っている以上、中途半端になるのは仕方ない。最低限の経済用語は知っているつもりだけども。
それに経済とは生き物と同様で、昨日と今日も同じである、とは限らない。


その一方で、パソコンといった情報を扱う物も無くてはならない物になっている。
仕事で使われる顧客の情報もデータベース(DB)に保存・活用されているし、情報伝達の方法としてメールも「あって当然」という状況になっている。
プライベートでも、(パソコンや携帯電話を持っているという前提になるが)インターネットはニュース閲覧や情報収集に使われ、ネットオークションや買い物、果てはデイトレードにまで扱われている。
一説には、3000万人が自宅でインターネットを扱える環境にあるという。
つまり、パソコンを扱ったいわゆるインターネット業界は最大3000万人の潜在的な顧客が居る事になる。


パソコンを扱った業界にエロゲー業界がある。今は亡きレガシー98(NEC製PC-98シリーズ)の牽引ともなった存在だ。エロゲーをやりたいがために98シリーズを買う、という一種本末転倒めいた購買欲を起こした男性諸氏(20台後半以降)もいるだろう。自分もその一人だ。

本なりビデオなりメディアとして機能し始めると共に興る産業がポルノ産業ではあるが、少なくとも人間の(主に男性の)欲望を満たすコンテンツとしては不滅だろう。時代がどのように進んでも(売春を含めて)滅亡する事は無い。それは歴史が証明している。
そういった意味では、エロゲーが無くなるとは少し考えにくい。
商売として考えるなら衰退する可能性は当然あるが―――。


エロゲー業界は突き詰めて言うとポルノ産業に当たる。また、昨今の風潮で言うなら、2次元的な見た目の可愛さや声優を使っている事もあってオタク産業ともいえる。
市場の規模と構成でいうなら、オタク産業の中に存在するポルノ産業と言うべきかもしれないが、兎にも角にも制作から流通・小売まで展開しているので、立派に商売として成り立っているのは間違いない。

しかし、その存在は極めて脆弱だ。一向に大きくならないソフトハウスの企業規模と、消えては新しく出て新しく出ては消えていくソフトハウス・ブランドの興亡を見ればその様子は明らかだ。市場規模を正確に把握していない自分の目からも良く分かる。

だが、購買につながっていないにせよ、その認知度は高い。エロゲー業界とインターネット業界のターゲット層(買ってくれる人)が重なっている事もあるが、少なくともパソコンを使っている男性で(プレイしたかどうかはともかく)エロゲーの存在を知らない人間はごく少数派だろう。


何故、そのような事が起こるのだろうか。
おそらくは現代社会の中での倫理―――ポルノに対する偏見―――がそうさせているのだろう、という見方ができる。
通常の人間であれば誰しもが持っている倫理観、という足枷こそがエロゲー業界を、そしてソフトハウスの「不安定さ」を表しているのだろう、と。


しかし、何が「そう」させているのか―――何故ソフトハウスやブランドが泡沫のごとく消えていくのか―――という点を考えれば、少し矛盾点が出てくる。中古販売店の存在がそれだ。

新品と中古を扱った小売店に行けばその矛盾点に気が付く。というよりも、新品と中古の商品棚の占有率の歪さ(いびつさ)に気が付かざるを得ない。中古品の方が商品棚を多く占めている、と言う事は、そちらの方が売れ筋、すなわち儲かる、という図式を如実に表している。
この現実は何だろう。

新品の方が高いから中古に手を出す、という市場原理は確かにある。それはエロゲーに限らず、家庭用コンシューマ機でも同じだ。だが、店舗を見る限りでは、エロゲー業界ほどの歪さは家庭用コンシューマ機には無い。


また、G-Styleというサイトに掲載されている記事だったと記憶しているが、数年前とユーザ層が変わっていない、という。同じ20代前半、という意味ではない。
平均ユーザ年齢が3年前は23歳だったのに、3年後の今では26歳と「購買客が固定されている」という意味だ。

無論、獲得した顧客を維持しているのは賞賛に値する。それだけの商品のクオリティを維持している事の証左だからだ。

しかし、新規ユーザを獲得できていない、という事実はは企業規模を拡大する可能性を否定し、安定経営という観点からも外れている。手厳しい書き方をすれば、数年前に獲得した営業成果(厳密には獲得した顧客層)にしがみ付いており、過去の遺産で成り立っている、とも言える。

3年前は、今ほどソフトハウスの絶対数が少なく、売上本数は現在より遥かに上だったという。月別上位ランク(10位前後)では、2倍から3倍程度の格差があるとも、同じ記事に書かれてある。
現在では、ソフトハウスや販売タイトルの増加で、タイトルあたりの売上本数が落ちていると言う。


これらを総合して考えたら、エロゲー業界のパイをは広がっていない、という事が分かり、また、そのパイを業界で食い合っている、という図式が見て取れる。


自分が知っている限りのエロゲー業界は、レガシー98からWindowsを経て今に至っている。
G-Styleの記事にある3年前と現在と比べたとしても、ナローバンド(アナログ回線・ISDN)からブロードバンド(ADSL・光ファイバ)へ移行した事もあり、明らかにパソコンを持っている人間は増えた。
本来なら、それに従って購入客は増えてしかるべきなのに、市場規模は目立って大きくなっていない。

これは何を意味しているのだろうか。


【続く】
すまぬ、1日で書ききれんかったorz

 

続きはコチラ

黙祷

今しがた、自宅にある最後のレガシー98ことPC9821―Xa16(セレロン400MHz・メモリ96MB・HDD1.6GB+9GB・OS/WinNT4.0Server+98―Dos5.0)が亡くなっているのを確認いたしました。
ここに慎んでご冥福をお祈り致します。

今まで、本当にありがとう。

また一つ、自分の青春時代を共に生きた戦友が消えてしまいました

Naverで日韓討論

某月某日、ネットカフェっつーか漫画喫茶で、愛しのルナフレア様@ロトの紋章や、何気に胸がデカいマアム@ダイの大冒険やらを読んで妄想の淵に沈み込もうか、と(自称)健全な平成生まれの16歳らしい動機でネットカフェで漫画を逝ったらば、リクライニングシートのある席が開いてなかったんで、しょーがなくネット席にしましたとさ。
で、何気に韓国系ネタの宝庫である歴史系掲示板@Naverを覗いてみたら、全体の0.1%にも満たない「ちゃんとした」韓国の方「議論やろーよー(違)」と文章付きで書かれてありましたので、「これはイケる!」と自分でも何が「イケ」るのか分からないまま日韓討論を初体験(はぁと)しますた。


最初は自分の書き込みを激しくスルーされるという涙溢れる展開でしたが、「(韓国の人は)盧武鉉大統領は、日本に対してどのような事をすれば良いと思いますか? あるいは、どのような発言をすると良いと思いますか?」とゆー質問に食いついてもらえた所から、ようやく議論の仲間入り(?)。
ちなみに、ここまで来るのに5,6回のスルーされた書き込みと30分くらいを無駄にしたのは秘密の話で(; ̄ro ̄)


あ、ちなみに議題は盧武鉉大統領の対日強硬路線(っつーか暴言)、あとちょろっとホットな竹島問題(独島問題)が出たくらいかな。


詳細は書かないけれども、議論に参加してみて、(いい意味で)「韓国には韓国のアイデンティティがあるんだな」と実感したのが収穫かな。

あと、今回の韓国の人は
(以下は翻訳された文章)
「申し訳ありません.実は私は獨島または竹島問題は韓日両国の問題であまり重要に思っていることができないからあまり関心がないです.事態がこの地境になったことがそのまま息苦しいだけです.」
と書いてあったけど、煽っているのが韓国と自分は見てるんで、ちょっと「それは無いんじゃないかな」と思ったけど、
よく考えたら、竹島問題はどちらかと言うと交渉のカードたる「戦術」に類する事項なんだよな。
今では対北朝鮮で韓国をチェスゲームの駒として使う、という所が「戦略」に位置する事項だから、ちょっと目からウロコというか再確認できてちょっと自分的ヒット。こういう他者とのやりとりでの再確認って意外に重要だからね(お仕事とかでもたまにあるし)

少し違和感があったのが、今回の韓国の人は「日本にとって韓国は重要な国だよ」と思っている節があったところかな。マーケットの馬車馬様の記事で少し触りがあったんだけど
日本にとっては韓国は「友好国の一つ」でしかないけど、
韓国にとっては日本は「唯一の友好国」という実質的な国際外交能力しか持たない。
その点を分かっているのかな?とちょっと思ってみたり。

韓国の人も言ってたけど、「韓国の反日による団結力は『麻薬』と同じで副作用が怖い」というのはおそらく正解だろうね。安易なアイデンティティを得ようとして反日で固まっているけど、そのアイデンティティ(いわゆるウリナラマンセー)のために自分の首を絞めている(経済的にも外交的にも)っぽいし。


いろいろと参考(?)になったけど、23:00過ぎで自分的タイムアウト。(20:30ごろに開始だったかな?)
フェードアウトしたけど、今見たら夜中の2:30近くまで議論を続けてたらしい。
凄いよあんたら。
その頃はもぉ自分は夢の園にいたっちゅーねん(^^;


で、有意義な日韓討論時間を過ごしたんですが、一つ問題が。




議論に集中して愛しのルナフレア様@ロトの紋章に会えなかった僕のMP(妄想パワー)の逝き場所はどうすればよろしいのでしょうか?



ちなみに、上にもリンク張ってるけど、今回の韓国の人の記事みたいなのを以下に。
(ただし翻訳された文章ですので、行間を読んでください)

韓:ノ・ムヒョン大統領の反日発言に対する言い訳-日本人たち面倒を見てやってください.
作成時刻:2005.03.2820:39:26

韓国の利害関係は日本やアメリカの利害関係とは明らかな差を持っています.
北朝鮮が韓国と同一民族の国家という言葉ではないです.
北朝鮮がミサイル開発や核武装等をしなかったら北朝鮮はアメリカや日本にあまり脅威になれない国です.
特にアメリカは北朝鮮の核武装またはミサイル開発を阻むことを最優先的目標にしています.
しかし韓国の立場で見れば北朝鮮のミサイル開発をしないとしても非常に脅威になる国です.したがって韓国政府は北朝鮮がどんな問題を起こさないようにするためでくれと言うことをするしかないです.
普通世界の人々はキム・デジュンノ・ムヒョンのこんな立場(入場)を親北朝鮮だと呼びます.しかしこれは過ちです.親北朝鮮という言葉は北朝鮮の共産主義体制に同調するという語感があります.しかし私が見る時太陽政策の先駆者であるキム・デジュンは非常に合理的な人です.むしろ一番理性的な自由主義者に近いです.
ノ・ムヒョンやキム・デジュンが北朝鮮をなぐさめるために国際的世論に惚れる行為さえする理由は北朝鮮に同調するからではないです.あれほど北朝鮮が合理的に行動しにくいということが分かるからです.
これはまるで小泉が韓国の事情を理解するからノ・ムヒョンの発言を労力してそっぽを向こうと思うことのような理にあたります.
ノ・ムヒョンは当選初期から北朝鮮を無条件なぐさめようとばかりするキム・デジュンの政策を受け継ぎました.しかし韓国の大部分の老年層特に6.25を経験した世代たちはこんなノ・ムヒョンの政策を卑屈なことで見て戦争を不死するとしても北朝鮮に言うことはするのを力強く要求しました.
経済事情も良くなかったからノ・ムヒョンは困境に処するようになったのです.このような状況を突破するためにノ・ムヒョンの取り出したカードが反日です.
ここには少しの説明が必要です.韓国の近代化は日帝時代の基盤造成とこの時下級官吏で働いた朝鮮人たちが韓国の建国以後国家経営に参加して成し出したのです.非常に成功的だったと評価を受けることができます.しかしこれらが持っている弱点は韓日合併時代に独立運動を一人もいるのに君たちは朝鮮総督府に勤めてよく食べて寝る暮したというちょっと感情的な非難に対して堂堂と自分の立場を明らかにすることができないというのです.まだ韓国と言う(のは)社会はこれらの苦悩を理解してくれる位成熟した社会ではないです.捨て石でなら分からないが空席でこんな発言をしたら国民の支持を得る手に余ります.
韓国の近代化を導いた人々は今まで北朝鮮の脅威を立てて言論を統制して自分たちの反対派には共産主義者という色を加えて攻撃するのでした.この野には北朝鮮と言う(のは)国もいくらあほらしくても国であることに間違いないからむやみに戦争は起こすことができないとの信頼があったことが明らかです.

ちょっと論旨から脱しました.

ノ・ムヒョンが大統領になってからも過去の政権を取った人々とこれらと協力関係を維持した言論は特に新聞はノ・ムヒョンに親北朝鮮または左派または共産主義者という疑いをかけてずっと攻撃します.韓国社会は極度に分裂されていました.
三星や現代など企業の立場(入場)を見ればこれらはノ・ムヒョンが北朝鮮との関係を改善してくれれば北朝鮮の安っぽい労動力を利用することができるし韓半島の緊張も緩和されて自分たちの株式価値ももっと高めることができるようになります.私が見るにもこれは韓国の立場で見れば合理的なのです.
アメリカは肥大になった軍需産業を維持するためには仮想の敵国が必要になってそれを遂行してくれる国が北朝鮮です.
この点にはは韓国とアメリカの理解関係が衝突するようになります.
とにかくノ・ムヒョンは自分の政策に反対する者等を攻撃することができるカードを取り出します.これがすなわち反日というカードです.君たちは親日派すなわち売国奴だったということです.この時にはノ・ムヒョンの反対者たちはノ・ムヒョンの反日攻勢は政治的理解関係のためだと非常に反撥することができました.
こういった中にシネマ県で条例を制定するようになります.ノ・ムヒョンはこの機会をノッジだなくて反日宣言を言ってしまいます.ノ・ムヒョンに反対して経済も貧しいのに今親日派話を必ずしなければならない理由がないと反撥した新聞たちが仕方なく国民の機嫌を伺って反日の隊列に合流します.そしてノ・ムヒョンの反対者たちは夕立ちを避けようという心情でノ・ムヒョンに対する反対主張を慎んで観望する姿勢に変わります.
状況がこのようになったのです.
日本との外交をこのように軽視することができるのかは批判はできるが社会が極度に分裂されている状況で国民統合を成すのがもっと重要なことがあるという判断は韓国人の立場(入場)で見れば理解することができる部分です.
なおかつノ・ムヒョンは水準ない国民よりは韓国の国内状況を理解することができる日本政府や小泉総理をもっと信頼することは非常に合理的な判断だと思います.
小泉総理や日本政府は韓日間の関係を悪化させないとのことを信頼を持っていると言うと正しいだろう.
日本の国民に対する韓国の悪い認識が広がることができるもののこれよりは国内の国では統合がもっと重要だと判断したのです.
外交を重要視しようか国内の国では統合をもっと重要視するはずなのかは国家の最高治者として充分にその利益を形量して選択することができる部分だと思います.もちろん日本の信頼を裏切るという問題があるが韓国の状況は日本人たちが思うよりずっと深刻な水準にあります.
ただ一つ心配はこんな方法のもたらす副作用が非常に深刻だろうというのです.しかし先に住んでみなければならないからこんな選択をしたことだと思います.後で国民の水準が今より高くなった後にはそういう副作用を勝ち抜けることができると思ったのです.

韓国は皆さんが思うこと位水準が高い国でもないがそれでも北朝鮮のように非合理的に行動する国でもないです.

パリーグ開幕ぅ~

書くの忘れてた。


   獅vs檻
開幕 03-02
2劇 11-07

   鷹vs公
開幕 03-01
2劇 06-05

   ロvs楽
開幕 01-03
2劇 26-00


西武は松坂勝利ならずながら開幕をサヨナラ勝ち。
西武の貫禄勝ちと言うより、むしろ「貫禄のオリックス負け」。ついでに2連敗は空気を読んでてオレ的おっけー。
塩谷様の逆V9を達成しちゃってやってください。

ホークスは先取点を取られて即逆転というなんちゅーか冗談も出ないような上手い試合展開。
その渋さはヲーナーの禿っぽく光ってて、さすがは昨年ペナントレースの覇者である。
禿はどうでもいいが、王監督はホントに今年で辞めちゃっていいんでしょうか?

ロッテvs楽天、どうなのか。
ほんなこつの初戦を楽天が勝ってしまうというホラ吹きおっちゃんの発言が真実味を帯びたその2)と思ったら、貫禄のラグビー試合を演出。
まさにエンターテイナーである。
っつかどうやったら26点も取られるんだ。
まー内実的に「あの」檻の1軍半だったらしゃーねーやな。


で、鷹vs楽が今日から3連戦ですか。

何点取られるんですかね?(どこが?)